訪問看護の新たな形を描く
近年、在宅医療の重要性が増してきており、訪問看護の役割もその中で大きく取り上げられています。特に、株式会社eWeLLが提供する「ななーる訪問看護ステーション」は、リモート支援型の運営を通じて業務の効率化と看護の質向上に挑戦しています。本記事では、その成果と今後の展望について詳しく紹介します。
最前線の取り組み
「ななーる訪問看護ステーション」は、大阪を拠点に全12か所で訪問看護を展開し、看護師が本来の看護業務に集中できる環境を提供しています。この取り組みは、デジタル技術を活用した業務効率化が基盤となっています。
事務作業が多く、現場の看護師は看護業務以外にも様々な作業に追われがちです。実際、訪問看護業界は慢性的な人材不足に悩んでおり、事務作業の負担が看護の質にも影響を与えています。特に複雑な請求業務に対して、専門の事務スタッフが不足しているため、看護師自身が事務業務を兼務するシステムが多いのが現実です。
この状況を打破するために、「ななーる訪問看護ステーション」は業務を本部に集約。また、ITツールを駆使した業務フローの設計を行い、バックオフィス業務を大阪の本部に集約することで、現場の看護師は事務から解放されています。
看護の質向上に向けた新たな挑戦
「看護師が本来の看護に集中できる環境は、質の高いケアを実現するための基本です。」と、ななーる訪問看護ステーションの勝眞久美子常務取締役は語ります。業務を本部に集約することで、各拠点の専門性が強化され、高品質な看護の提供が可能になっています。
本部では、医療記録の管理や電話対応などの業務を担い、看護師は患者へのケアに専念。また、チャットツールやポータルサイトによる情報のリアルタイム共有により、現場と本部の間での円滑なコミュニケーションを実現しています。これにより、看護師は迅速に情報を得ることができ、円滑なチームワークが構築されています。
DXの力で育成する人材
ななーる訪問看護ステーションの取り組みの魅力は、ICTを駆使した「見える化」された情報です。これにより、各拠点の訪問記録や患者の状態変化をリアルタイムで把握し、夜間対応や終末期ケアの際に必要なサポートを行うことが可能になります。
「スタッフの疲労度や精神的な負担を察知し、必要に応じた業務調整を提案することができるのも、デジタル技術のおかげです。」と勝眞氏は言います。これは、現場が一人で抱え込まずに安心して質の高いケアを提供できる体制を整えるもので、看護師にとっても働きやすい環境を実現しています。
技術革新がもたらす未来
訪問看護専用の電子カルテ「iBow」の導入により、リアルタイムでの情報連携や業務プロセスの効率化が進んでいます。スタッフは新しいICT技術に対応しやすく、業務が早期に戦力化されることで、現場の生産性が向上しています。AI機能も活用し、スタッフの気づきや考える力を育んでいます。
将来的には、訪問看護の質をさらに向上させ、サービス提供エリアを拡大していく計画があるななーる訪問看護ステーション。看護業務をより質の高いものにするため、デジタル技術を駆使しながら、人間の温かみを大切にした看護サービスを提供しています。
「私たちは、心身が不調な人々が安心して暮らせる街を作るために、看護の質を追求し続けます。」勝眞氏の言葉が、ななーる訪問看護ステーションの強い信念を表しています。今後もこの取り組みがさらに進化し、地域医療への貢献を果たすことに期待が寄せられます。