AI-1グランプリの初開催
2023年、会計業界に新たな旋風を巻き起こした「AI-1グランプリ」が初めて開催されました。このコンテストは、株式会社エフアンドエムが運営するAI研究会が主催し、859の会員事務所が参加。各事務所が日常業務で実際に使用しているAIプロンプトの実用性を競い合う形で行われました。応募総数122件という多くのエントリーがあり、大きな関心を集めました。
コンテストの仕組み
AI-1グランプリは、参加者が自らの事務所で利用可能なAIプロンプトを提出し、その実用性を審査員が評価します。審査は、セブンセンス税理士法人の大野修平氏が担当し、以下の基準で行われました。
- - アイデア(10点)
- - 実用性(10点)
- - 生産性向上度(10点)
- - 加点項目(10点)
合計40点満点での評価が行われ、最優秀賞、優秀賞、さらに「審査員特別賞」も設けられました。これにより、独創的かつ実用的なプロンプトが評価され、参加者は創造性を発揮する機会を得ました。
受賞事務所の発表
最優秀賞に輝いたのは、東京都千代田区の「税理士法人九段会計事務所」です。彼らのプロンプト「顧問先別処理マニュアル作成」は、顧問先ごとの業務手順や注意事項をAIが対話形式でヒアリングし、引き継ぎ用マニュアルを迅速に自動生成するものでした。このシステムは、担当者変更時のコストを大幅に削減する可能性を見出し、実用性の高い成果を生み出しています。審査員からも、AI活用の模範としての評価を受けました。
さらに、優秀賞には「ソルビス税理士法人」、 「ブレダ税理士事務所」、そして「税理士法人ティグレパートナーズ」の3事務所が選出されました。
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プロンプト名: 税務調査模擬演習シミュレーター
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概要: 想定質問とその回答を自動生成し、調査前の論点整理や担当者のトレーニングに活用。
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プロンプト名: リードくん
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概要: 見込み客の問い合わせ内容をAIが分析し、適切な初回面談資料や提案内容を自動作成。
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プロンプト名: AI前期比較チェッカー_ver1.0
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概要: 前期と当期の財務データを自動比較し、異常値や変動要因を解説付きでレポート出力。
審査員特別賞の発表
最優秀賞や優秀賞には至らなかったものの、独創性や実用性が際立ったプロンプトには「審査員特別賞」が授与されました。以下はその受賞事務所とプロンプト名です。
- - 機密情報守りま賞: TFS国際税理士法人 / 機密情報マスキングプロンプト
- - 執念の業務改善賞: 佐々木税務会計事務所 / 財務分析資料作成プロンプト
- - AIで心を動かしま賞: 税理士法人ヤマダ会計 / 創業型持続化補助金事業計画書作成
- - その他にもユニークな名前の賞が用意されました。
AI研究会の取り組み
このコンテストは、AI研究会の目的を示すものでもあります。AI研究会は、会計業界の特異性に応じたAI関連の情報発信や実務者同士の交流を支援する場として機能しています。今後も参加事務所の活用事例を基に、さらなるAIの実践的な活用法を模索し、業界全体の活性化を図っていく意向です。
コンテストを通じて得られた知見や経験は、参加事務所にとって価値ある資産となるでしょう。これからのAIの進化が、会計業界の未来をどのように変えていくのか、注目が集まります。