家庭用蓄電池VPP「わけトク」サービスの対象設備拡充の実証開始
東邦ガス株式会社は、家庭用蓄電池を活用した新たなVPP(バーチャルパワープラント)サービス「わけトク」の対象設備を拡充するための実証を始めました。この実証は、シャープエネルギーソリューション株式会社(SESJ)との共同プロジェクトで進められています。
「わけトク」とはどんなサービスなのか?
「わけトク」は、東邦ガスが提供する電力買取サービスで、太陽光発電と家庭用蓄電池を組み合わせて利用する家庭を対象としています。供給が不足する時間帯には、遠隔操作により蓄電池から電力を放出し、電力会社がその電量を購買する仕組みです。これにより、夜間や天候不順時の発電不足を補います。家庭で生み出した再生可能エネルギーを地域に広め、社会全体での電力利用を促進することを目的としています。
実証の実施内容
今回の実証では、シャープ製蓄電池を新たに「わけトク」の対象設備に加え、一般家庭に設置されているこれらの蓄電池をSESJのクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」を使って、遠隔で制御し、その結果を検証します。実証期間は2025年3月から2026年3月を予定しており、成功に導いた後には、より多くの家庭で「わけトク」のサービスが利用できるようになることが期待されます。
実証の役割分担
実証には、 東邦ガスが実証参加者の選定や放電指示の遠隔制御、制御結果の検証を担当し、SESJが家庭における蓄電池の設定変更や制御実施などを行います。これは、各社がそれぞれの強みを生かし、効率よく実証を進めるための協力体制です。
なぜ今、「わけトク」なのか
日本では東日本大震災以降、電力の安定供給が強く求められるようになりました。再生可能エネルギーの導入は進みましたが、自然条件に左右されるため、安定供給が課題になっています。「わけトク」はこの課題解決に寄与する手段として注目されています。
お客様へのメリット
「わけトク」には多くのメリットがあります。まず、地域貢献として太陽光発電で生成した電力を地域に還元できる点です。電力の需給ひっ迫時には、蓄電池に貯めた電力を高値で買い取ってもらえるため、家庭の経済的負担を軽減する効果も期待されています。さらに、具体的な初期費用や年会費が不要で、利用開始も非常に簡単です。
まとめ
東邦ガスとシャープのコラボレーションにより、家庭用蓄電池VPP「わけトク」の実証が始まったことは、持続可能な社会構築への第一歩となるでしょう。地域社会における電力の安定供給と、利用促進につながるこの試みが今後のエネルギー改革に果たす役割は大きいと考えられます。今後も、東邦ガスはこの分野でさらなるサービスの拡充を推進し、地域の発展に貢献していく所存です。