アイシンが環境大臣賞受賞！持続可能な洗浄剤の開発秘話

アイシンが環境大臣賞を受賞！

愛知県刈谷市の株式会社アイシンは、花王株式会社と共に開発した「常温防錆洗浄剤」が第52回「環境賞」で環境大臣賞を受賞しました。この栄誉ある賞の贈賞式は、2023年6月3日に行われました。

環境賞の意義とは？

環境賞は1974年に設立され、主に公害問題の解決を目的として、温暖化や生物多様性の保全、資源の持続可能性など、環境保全に貢献する優れた取り組みを称えるものです。特に、アイシンの洗浄剤は、製造過程における環境負荷を大幅に軽減することから、この賞に相応しいと評価されました。

常温防錆洗浄剤の開発

アイシンが開発した「常温防錆洗浄剤」は、主にトランスミッションの金属部品の洗浄に使用されます。従来の洗浄プロセスでは、洗浄液を加熱し、その後熱風で乾燥させる工程が必要で、CO₂の排出量が多く、環境への影響が大きいことが課題でした。さらに、防錆処理のための油や梱包材が廃棄物となり、その環境負荷も無視できないものでした。

3つの高機能を実現

そこで、アイシンと花王は、以下の3つの機能を兼ね備えた洗浄剤の開発に成功しました：
1. 常温で洗浄できる - 高い洗浄力を持ちながら、加熱不要。
2. 熱風乾燥不要 - 効率的な乾燥性を実現。
3. 防錆処理不要 - 高い防錆効果。

この洗浄剤により、洗浄機1台あたりで73％のCO₂の削減が可能となり、防錆資材の使用も削減されました。また、使用する洗浄液の寿命を3倍以上延ばすことで、水の使用量を3分の1以下に抑制し、排水処理の負荷も軽減されました。