レクサスの新たな美学、タジマとのコラボで生まれた特別仕様車の魅力

愛知県春日井市に本社を置くタジマ工業が、レクサスが発表したフラッグシップクーペLC特別仕様車“PINNACLE”にその刺繍技術を提供しました。このコラボレーションは、デザインと技術が見事に融合した結果、生まれた特別な一台です。タジマのグラデーション刺繍が施された助手席インストルメントパネルは、レクサスのデザイン思想に基づいて創り出され、モビリティの新たな美しさをもたらしています。

フラッグシップクーペLC特別仕様車“PINNACLE”とは？

LC500 Convertibleを含む特別仕様車“PINNACLE”は、その名の通り特別感に溢れた外観を持ちます。インテリアには、タジマのグラデーション刺繍がふんだんに施され、サドルタンとホワイト、ブラックとホワイトの2つのカラースキームで提供されています。

この刺繍は、自然界の情景からインスピレーションを得たもので、時間をかけてデザイナーとの協働で完成されたもの。タジマの自社技術を駆使し、密度の高いデザインを実現しています。

繊細さと安定性の両立

このプロジェクトは、約2年にわたり、デザインの美しさと品質の向上を目指した検証の結果、形になりました。自動車という厳しい条件の中でも、タジマは高水準を維持しつつ、その刺繍の独自性を表現しています。絵画のような意匠性を保ちながら、耐久性や安定性をも兼ね備えた製品を実現したのです。

タジマとレクサスがそれぞれの技術と思いを融合させることで、新たなイノベーションが生まれてきました。このプロセスの詳細は、タジマグループのWebマガジン「TAJIMAG」にてインタビュー記事として取り上げられており、ぜひご覧いただきたいところです。

タジマのAI刺繍機が支えるグラデーション刺繍

今回のグラデーション刺繍の背後には、タジマ独自のAI刺繍機が存在します。微妙な色の変化を伴うステッチを安定的に生み出し、異なる素材に対しても同一の刺繍データを使い回すことができる高技術を活用しています。

特に、i-TM（Intelligent Thread Management）やDCP（Digitally Controlled Presser foot）技術によって、針ごとに最適な調整が自動的に行われています。これにより、品質の均一化と生産効率の向上が同時に達成されています。デザイナーの意図を忠実に再現するためには、基準を満たす厳格さが必要ですが、タジマはこれを実現しています。

タジマの歴史と未来への挑戦

1944年に設立されたタジマ工業は、老舗の刺繍機メーカーとして知られています。「匠の技」を再現するAI技術にこだわり、刺繍業界の変革に向けた取り組みを続けています。多様化するニーズに対応するため、2022年にはカナダのソフトウェア企業をグループに加え、さらなる進化を目指しています。

タジマの刺繍技術は、世界中のメゾンやデザイナーから高く評価されており、欧州のラグジュアリーブランドにも広く採用されています。革新と美の追求は、今後も続いていくことでしょう。