地域の農業と教育をつなぐ「東三河FOOD DAYS 2025」の挑戦
2025年9月19日と20日に豊橋で開催された「東三河FOOD DAYS 2025」では、地域の食と農の資源を活かすための取り組みが行われました。創業600年を誇る「糀屋三左衛門」の29代目当主、村井三左衛門さんがモデレーターを務めたパネルトーク「食×教育:食のリスキリングで世界から人を呼び込む街に」では、さまざまな専門家が集まり、地域を活性化させるための熱い議論を交わしました。
イベントの概要と目的
「東三河FOOD DAYS」は、地域の魅力を再発見し、食に関わる人材を育成することを目的としたイベントです。今回が2回目の開催となり、パネルトークやピッチコンテスト、食の体験イベントなどが行われ、212名が参加しました。このイベントを通じて、東三河地域が「フードクリエイターの聖地」としての地位を築くことを目指しています。
村井さんは、具体的に食の生産者や教育者、都市開発者、料理人など多様な視点から「食のリスキリング」を扱いました。近年、地方では若者の流出が進んでいますが、食に関する教育を通じて地域に人を呼び込む取り組みが重要だと語っていました。
糀屋三左衛門の役割と取り組み
糀屋三左衛門は世界40カ国、3,000社以上の醸造メーカーに種麹を供給する伝統的な企業です。彼らはただ製品を提供するだけでなく、麹文化を後世に伝えていくことにも力を入れています。近年では「麹検定」や、「KOJI THE KITCHEN」などのイベントを開催し、多くの人々に麹の魅力を広めています。
2025年には麹を学問として位置づける「Kojinomy」を提案し、教育的な取り組みを進める意向を示しています。これにより、若い世代が農業や食産業に興味を持つきっかけを提供し、地域自体の魅力を高める試みが続けられています。
東三河地域の課題と将来展望
東三河地域は高い農業産出額を誇りますが、30歳未満の働き手が都市部に流出するという課題を抱えています。この問題に対して、食に関するリスキリングや人材育成を行うことで、東三河地域がフードクリエイターたちの集まる場所へと進化する可能性があるのです。
パネルトークでは、ゲストスピーカーによる成功事例も紹介されました。例えば、料理学校の校長や都市開発専門家の意見を交え、具体的な活動内容などが共有されました。
結びに
「東三河FOOD DAYS 2025」を通じて、地域の人々が地元の食材や文化に対してもっと関心を持ち、参加することで、新たな人材やアイデアが生まれることが期待されています。今後も糀屋三左衛門を中心とした取り組みにより、地方創生の未来が描かれることでしょう。