ペロブスカイト実験開始
2025-06-13 13:39:19

大林組とアイシンがペロブスカイト太陽電池実証実験を開始

大林組とアイシン、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始



株式会社大林組と株式会社アイシンは、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて新たなステージに踏み出しました。東京都清瀬市の大林組技術研究所において、両社は共同で実証実験を行うことを発表しました。

実証実験の背景



カーボンニュートラルの目指す未来に向け、再生可能エネルギーの拡大が求められています。太陽光発電はその中心的な役割を果たすとされており、従来のシリコン製太陽電池が主流でした。しかし、設置場所の確保の難しさや、高効率とスペース確保との両立に課題がありました。

そんな中、注目を集めているのがペロブスカイト太陽電池です。この次世代型太陽電池は、軽量・柔軟であり、建物の屋根や壁など、これまで設置が難しかった場所にも適用が可能です。また、製造コストの低減も期待されていますが、発電効率や耐久性などの点ではまだ課題が残っています。

アイシンは、この技術を生かし、20年以上にわたる有機系太陽電池のノウハウを活かして、より高い発電効率と耐久性を持つペロブスカイト太陽電池の開発を進めています。今回の実証実験では、設置方法と施工性の評価を行います。

実証実験の内容



1. 交換が容易なファスナー工法の開発


ペロブスカイト太陽電池を設置する際、建物が使用中でも電池の交換が容易にできる工法が求められます。そこで大林組とアイシンは、ファスナーを用いた取り外し式工法を新たに開発しました。

この工法では、ペロブスカイト太陽電池付きのシートを、特殊なメッシュシートにファスナーで固定します。通気性があり耐候性にも優れた素材を使用することで、長期的な保守性を確保できるように設計されています。今後はこの工法を用いた長期耐久性や施工性の検証を行う予定です。

2. 年間発電量を最大化する設置方法の検証


太陽電池の設置は日照を最大限に受けるため、南向きに30度の角度での設置が理想です。しかし、そのための設置スペースには制限があるケースが多いです。そこで、ペロブスカイト太陽電池の特性を活かし、効率的に発電量を最大化する設置形状を探ります。

シミュレーションを行い、研究所の屋上に実際に設置しました。この方法では、同一の設置面積により多くの太陽電池を搭載することが可能で、総発電量は20%以上増加する見込みです。今後は発電量や劣化度の長期比較評価に取り組んでいきます。

未来に向けた取り組み



大林組とアイシンは、この実証実験から得られた知見を基に、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化を目指します。今後は、ビルや工場、インフラなど、さまざまな施設への導入を視野に入れ、再生可能エネルギーの拡大とカーボンニュートラルの実現に向けた技術開発を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。


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