近年、eスポーツが進化し、誰もが参加できる環境が整いつつあります。その中心となっているのが、一般社団法人日本eスポーツ協会(JESU)です。2025年11月2日と12月7日、JESUは障がいを持つ方が参加できるeスポーツ支援者入門セミナーをそれぞれ大阪と名古屋で開催しました。このセミナーは、障がい者に対するeスポーツの理解を深め、支援する人材を育成することを目的としています。
eスポーツは、ゲームを通して身体的なハンデを乗り越える新しいスポーツ形態です。特に「ユニバーサルeスポーツ」という概念が注目されており、これは共生社会を実現するための手段として幅広く活用されています。JESUは昨年度より、日本財団の助成を受け、障がい者の社会参加を促進する活動を行ってきました。今回のセミナーでは医療福祉関係者や教職員、自治体職員などさまざまな立場の参加者が集まり、情報共有を進めました。
セミナーは実践的な内容で構成されており、特にアクセシビリティコントローラーを用いたワークショップでは、参加者がそれぞれの環境に合わせたコントローラーを作成する時間が設けられました。参加者同士の意見交換では、自らの経験を基にした実践的な知見が多く共有され、eスポーツ支援に対する理解が深まりました。
第3回目のセミナーは大阪電気通信大学の体育館で開催され、ユニバーサルeスポーツを体験する貴重な機会となりました。大阪電気通信大学の学生による自作のゲームも展示され、直感的に操作できるそのゲームは参加者の注目を集めました。セミナーを通じて、運動や体育の場でeスポーツがどのように機能するかを目の当たりにすることができ、多くの参加者がこの新しいスポーツの可能性を感じました。
名古屋で開催されたセミナーでは、自治体との連携によるeスポーツを活用したシニア向けのフレイル予防施策が紹介されました。また、障がい者当事者が参加し、必要な機器や環境の調整について貴重な意見を提供してくれました。参加者は、これらの課題に対して新たな気づきを得て、今後の活動に生かす意欲を高めました。
JESUは今後も、eスポーツの振興を通じて国民の健康と社会経済の発展に寄与していくことを目指しています。障がいを持つ方がより身近にeスポーツを楽しめる社会を実現するための取り組みが、一層の広がりを見せることを期待しましょう。参加したセミナーの関連情報については、JESUの公式ウェブサイトを訪問してみてください。eスポーツを通じて共生社会を築くアプローチは、未来への希望を感じさせるものでした。