オフロード自律走行AIロボット『Adam』実演会で農業の未来を体感！

農業を変革する「Adam」：愛知県豊橋市での実演会

愛知県豊橋市で、画期的なオフロード自律走行AIロボット「Adam」の実演会が開催されました。このロボットは農家の負担を軽減し、少子高齢化が進む中で人手不足に悩む農業界に新たな希望をもたらしています。

Adamの機能と特長

「Adam」は、長さ2.02メートル、幅1.32メートル、高さ1.06メートルのコンパクトな設計を特徴としています。前後に搭載されたカメラにより、作業者を認識し、一定の距離を保ちながら動行います。さらに、月面探査機の技術が応用されており、デコボコ道や15度の傾斜でも安定した走行を実現。1回の充電で8〜10時間稼働する能力があり、農作業の効率化に貢献しています。

除草剤散布作業のデモ

実演会は、実証実験に協力してきた「百年柿園ベル・ファーム」で行われ、除草剤散布における作業時間の短縮がテーマでした。従来、鈴木さんはタンクを背負い、薬剤を散布しながら何度も薬剤補充のために作業を中断していました。「身体的な負担がかなりある」と鈴木さん。しかし、Adamは大容量のタンクを搭載し、彼の後を自動で追いかけて作業を行うため、重い薬剤を持つ必要がなく、作業時間を半分以下に削減しました。鈴木さんは「省力化の効果を実感できた」と語りました。

収穫作業の可能性

Adamは最大積載量300キロを誇り、一度に柿の収穫かごを10個運ぶことが可能です。この機能により、収穫や剪定作業の負担も軽減されるとの期待が寄せられています。また、鈴木さんは「アダムを使えば、脚立の乗り降りを繰り返さずに済むのでは」と新たな活用方法を提案しました。

農家の声を受けた進化

実証実験として行われた「TOYOHASHI AGRI MEETUP」は、地域農業関係者とのコラボレーションによって進行しています。参加した農家からのフィードバックにより、果樹間を動く「ミニ版」の開発も進められています。これにより、さらに多様な農作業への活用が期待されています。

価格とシェアリングサービス

Adamはすでに販売が開始されており、農業用価格は275万円（税込み）です。一方で、シェアリングサービスもスタートしており、豊橋市の「マルシメ株式会社」が提供しています。このサービスでは、1日や1週間、1カ月単位で利用することができ、手軽にロボットの恩恵を受けられる体制が整っています。

アダムの普及に向けた支援

豊橋市では、アダムの購入費用はアグリテック導入支援補助金の対象となっています。詳細については市の公式ウェブサイトを参照してください。地域イノベーション推進室の小野健太郎さんは、農業界における高齢化や担い手不足を解消する手段としてロボットの活用を期待しています。果樹農業に限らず、幅広い分野でのアダムの活躍に大いに期待が寄せられています。