糖尿病と口腔健康
2025-05-13 10:35:59

糖尿病患者の口腔健康調査、歯科メインテナンスの重要性が明らかに

糖尿病患者の口腔健康調査が示す重要性



滋賀医科大学とサンスターグループが共同で実施した研究により、糖尿病患者の歯の本数と歯科メインテナンスの関係が明らかになりました。この研究は、患者の健康診断結果と医療機関の診療データをもとに行われたもので、糖尿病患者における口腔の健康状態に関する重要な知見を提供しています。

研究の背景と目的


歯の喪失を防ぐために、定期的な歯科受診が不可欠であることは広く知られていますが、特に糖尿病患者はそのリスクが高いとされています。これまでの研究では、自己申告に基づく調査が主流でしたが、本研究では医療ビッグデータを活用し、より信頼性のある結果を得ることができました。

これにより、歯科メインテナンスの実際の効果や、糖尿病患者にとっての重要な健康指標としての役割が明らかにされました。

研究の方法


本研究は、2015年から2016年にかけてのデータを使用し、705,542人(平均年齢44.7歳)の被験者を対象に調査が行われました。被験者は、歯科受診の有無、受診内容、糖尿病の状態によってカテゴリー分けされ、それぞれの歯の本数が比較されました。

歯科受診の実態


調査の結果、20代の歯科受診率は約34%、30代で約43%と特に低く、年齢が上がるにつれて受診率が増加する傾向が見られました。しかし、糖尿病を有する患者においては、特に血糖コントロールが不良な場合、受診率はさらに低下していることが指摘されました。このような傾向は、歯科メインテナンスを受けている人の割合にも影響を及ぼしています。

歯科メインテナンスとの関連


糖尿病患者の中でも、血糖コントロールが良好な人は、非糖尿病患者とほぼ同等の歯の本数を維持していました。しかし、血糖コントロールが不良な患者は、たとえメインテナンスを受けていたとしても、歯の本数が少ない傾向が確認されました。これは、歯科メインテナンスが歯の健康に寄与することを示しており、糖尿病患者にとって特に重要であることが再認識される結果です。

結論


この研究によって、歯科メインテナンスの定期的な受診は糖尿病患者にとって口腔の健康を維持するために非常に重要であることが証明されました。糖尿病のコントロールの重要性も強調されており、今後は医師と歯科医師の連携を強化し、患者中心の予防医療体制の構築が求められます。特に、糖尿病を抱える若い世代の方に知識を広めることが、より良い口腔及び全身の健康を実現するための一歩となります。

研究の今後


この研究結果は、2025年2月20日に「Diabetology international」誌に掲載予定であり、今後の糖尿病に関する研究の理解を深めることに寄与するでしょう。サンスターと滋賀医科大学が目指すのは、健康的な生活をサポートするための持続可能な医療体制の構築です。

要するに、糖尿病患者のためには、一般的な歯科治療だけでなく、定期的なメインテナンス受診が必要不可欠であることをますます裏付ける結果となりました。


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