福祉施設でのシフト作成が変わる
近年、AI(人工知能)の進化により、さまざまな分野で業務の効率化が進んでいます。この度、秋田県にある福祉交流施設たんぽぽが導入したのは、名古屋大学発のAIベンチャー、株式会社トライエッティングが開発したシフト自動作成ツール「HRBEST(ハーベスト)」です。このツールにより、シフト作成にかかる時間が劇的に短縮され、作業工数が約80%も削減されることとなりました。
導入背景: 複雑なシフト運用の改善
福祉交流施設たんぽぽは、訪問介護やデイサービス、ショートステイの3つの介護事業を運営しています。特に、デイサービスとショートステイでは、職員の希望休や送迎業務を考慮した複雑なシフトの作成に、これまで非常に多くの工数がかかっていました。
職員の希望を考慮しつつ、送迎車を含めたシフトを作成する作業は、従来は大変な負担となっていました。そこで、シフト作成の効率化について真剣に取り組むことになり、「HRBEST」の導入が決まりました。
導入の成果: 時間を大幅に短縮
「HRBEST」の導入による最も大きな成果は、シフト作成の時間を10時間から2時間に短縮したことです。これにより、作業時間を80%も削減することができました。これまで10時間をかけていたシフト作成業務が、ほぼ自動で行えるようになり、調整作業が2時間程度で完了するようになりました。
また、「HRBEST」は、デイサービスに必要な送迎車の運転業務をも自動的に反映させることができるため、シフト作成が必要なさまざまな条件をワンクリックで考慮することが可能です。これにより、担当者の負担が大幅に軽減されました。
ユーザビリティとサポートの評価
「HRBEST」の利便性はこれだけにとどまりません。導入後、システムの機能に対する要望や質問を投げかけた際の迅速な対応が特に高評価を得ています。担当者のサポートがしっかりしているため、安心して長期間利用できるツールであるとの声も多く寄せられています。
今後の展望: 機能活用のさらなる拡大
福祉交流施設たんぽぽの管理者である小林英雄氏は、「HRBEST」の導入によって作業時間が大幅に削減できたことは非常に喜ばしいとコメントしています。今後は、厨房や看護師のシフト作成にもこのツールを広げていきたいと考えており、さらなる機能の活用を進めていく方針を示しています。
HRBESTの特長と利点
「HRBEST」は、シフト作成をわずか2ステップで自動化できるAIサービスです。所定の労働時間や休み、必要人数、スタッフのスキルなど、さまざまな条件を考慮してシフトを作成します。また、スマホを通じたシフトの回収や配布が可能で、希望シフトの提出も簡単に行えます。これにより、転記ミスや個別連絡の手間を大幅に削減。
さらに、スタッフが対応可能な業務に基づいてシフトを作成するため、それぞれの職場の状況や規則に最適なシフト配置が可能です。AIによる自動作成機能は、他のシフトツールにはない、きめ細やかな解決策を提供し、人手不足や生産性向上に悩む事業者の課題を軽減します。
福祉交流施設たんぽぽのように、時間と労力を大幅に削減しながら質の高いサービスを提供するために、AIツールは今後も非常に重要な役割を果たしていくことでしょう。