下田海中水族館で進化する廃漁網リサイクルプロジェクトの全貌
2025年11月3日、静岡県下田市の下田海中水族館で、リファインバース株式会社主催による「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」が開催されました。このイベントは、廃漁網のリサイクルを目的とした取り組みの第4回目となり、地域の人々とともに環境保全を考える貴重な機会となりました。
海洋プラスチック問題と廃漁網
海洋プラスチックゴミは全世界で深刻な問題として取り上げられていますが、特に廃漁網が海洋に及ぼす影響は見逃せません。漁網が海に放置されると、他の生物に深刻な害を及ぼすことがあります。こうした問題に対処するため、リファインバース株式会社では2019年から廃漁網のリサイクル事業を開始し、リサイクルナイロンペレット「REAMIDEⓇ」を生み出しています。この高品質素材は、漁網のリサイクルを通じて再生されるものです。
参加者の声
今回のイベントには、合計14名が参加。参加者は、漁網に触れる貴重な経験をし、「網に触れる機会なんてめったにないので面白かった」といった感想が寄せられました。多くの方が長時間作業に取り組み、新たな発見があったようです。連休の最終日とあって参加人数は少なかったものの、協力企業との連携で2袋分の漁網を選別することができました。
プロジェクトの内容
イベントに参加した方々は、実際に漁網に触れながら作業を体験しました。この作業には、針などの金属類を丁寧に取り除くことが不可欠であり、参加者たちは真剣に取り組んでいました。さらに、リサイクルに関するガイダンスを受けながら、環境保全について学ぶ機会も得ることができました。
作業を手伝ってくれた参加者には、処理した網の重量に応じて、下田海中水族館の人気体験「カワウソ給餌体験」のエサ引換券や、リサイクル素材を使用したノベルティなどの特典が用意されており、参加者は楽しみながら貢献できたと喜んでいました。
未来の循環社会に向けて
リファインバースは、廃棄漁網を愛知県一宮市の自社工場で「REAMIDEⓇ」へと生まれ変わらせています。この工場では、全国から集められた漁網や廃車エアバッグなどを素材に、高品質リサイクルナイロンを製造しており、建材、アパレル製品など様々な分野に活用されています。今回回収された漁網も、リサイクルプロセスを経て新たな製品の原料として利用される予定です。
リファインバースは20年以上にわたりサーキュラーエコノミーの実現を目指しています。廃棄物を素材として再生し続けることで、持続可能な未来を築くための取り組みを強化しているのです。このような事業は、環境だけでなく地域社会にも新たな可能性を提供するものです。
下田海中水族館での廃漁網リサイクルプロジェクトは、ただの環境保全活動にとどまらず、地域の絆を深めるプラットフォームとして、多くの人々に未来について考えるきっかけを与えています。今後も、こうした活動が広がることを期待したいですね。