地域と企業が協力する部活動改革の新しいモデルが尾張旭市で始動！

尾張旭市における部活動改革の実証実験

2025年5月12日、尾張旭市役所で行われた報告会では、東邦ガスと尾張旭市教育委員会の連携による「部活動改革に係る実証実験」の成果が発表されました。この取り組みは、自治体向けソリューション「東邦ガスつなぐtech（ツナグテ）」の一環として行われ、企業人材が外部指導員として中学校の部活動を支援します。参加したのは、愛知県と三重県の33の自治体から約100名の関係者で、これまでの活動報告と今後の展開に向けた意見交換が活発に行われました。

背景と取り組みの概要

日本は少子化と教職員の長時間労働という社会問題に直面しており、公立中学校の部活動も大きな改革の波にさらされています。尾張旭市では、2025年度末をもって教職員による休日の部活動指導を廃止する方針を掲げており、この流れの中で、東邦ガスは部活動の地域移行を進めるための新たな試みを始めました。

実証実験は2025年2月から3月に行われ、尾張旭市立西中学校での第一弾として、企業人材がソフトボール部、女子バレーボール部、剣道部の指導に参加しました。参加者は現場の実態を分析しながら、業務の効率化を目指しました。

企業人材の活用とその評価

実証実験では、企業人材が中学校の部活動においてどのように指導するかが検証され、実際に評価も高かったことがポイントです。生徒の96％は外部指導員のもとでの指導を希望し、保護者からも肯定的な評価が寄せられました。

特に生徒たちは、外部コーチから新たな視点でのアドバイスを受けられたことを喜び、効率的な指導内容についても高評価でした。一方で、外部指導員や顧問教員からは、業務内容や活動方針の事前共有が不足しているという意見もあり、さらなる連携の改善が求められています。

業務負担の可視化と今後の展望

教育委員会と連携した業務運用の見える化も実施し、外部指導員の受け入れに関連する負担のバランスを調査しました。活動報告の煩雑さや情報管理の課題が浮かび上がり、今後の効率化が必要であると認識されました。

次のステップとして、2025年秋には第二弾の実証実験を実施予定で、より円滑な支援体制を整えるための取り組みも進行中です。業務支援システムの試験提供や外部指導員向けの研修プログラムを導入することで、次回の実験を成功させることを目指します。

地域との持続可能な関係を築く

「尾張旭モデル」は、企業、自治体、教育現場の三者が連携し、充実した部活動の場を子どもたちに提供することを目指しています。東邦ガスは、この取り組みを地域全体に広げ、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく考えです。

今後の展開に期待が寄せられる中、地域社会と協力して新たな教育の形を築いていくプロジェクトは、地域のみなさまの参加を待っています。