Koro-rin法の革新
2026-10-07 14:21:20

陸上生物の多様性調査を変えるKoro-rin法の革新性

Koro-rin法の登場



最近、株式会社豊田中央研究所が開発した「Koro-rin法」は、陸上の生物の環境DNAを手軽に採取する革新的な手法として関心を集めています。この手法は、特に生物多様性のモニタリングにおいて新たな可能性をもたらします。

Koro-rin法とは?



Koro-rin法は、ローラーを用いて地表面を拭き取る形で環境DNAを収集する手法です。使用するのは、ローラーに巻きつけた使い捨ての不織布だけであり、特別な機器や電源を必要としません。この簡便なアプローチにより、場所を問わずに陸域の生物多様性調査が可能になります。

豊田中央研究所は、14カ月間のフィールドワークを実施し、この方法を使って鳥類や哺乳類の生息状況を把握しました。その結果、53分類群を検出したという実績があります。特に、カメラトラップによる結果と高い一致率を示し、季節ごとの生物相の変化も裏付けられました。

生物多様性モニタリングの重要性



近年、生物多様性の損失は深刻な問題となっており、ネイチャーポジティブの実現に向けて多くの取り組みが行われています。持続可能な環境を作り出すためには、生物がどのように生息し、変化しているのかを理解することが不可欠です。しかし、従来の調査手法は時間と人手を多く要するため、多頻度の調査には限界があります。

Koro-rin法は、そうした課題を解決するために開発されました。この方法は、環境DNA(eDNA)の情報を基に生物の生息状況を把握するための重要な手段です。環境DNAは、生物の体表から剥がれた細胞や体毛、排泄物などから得られる微量のDNAであり、まるで「生き物の足跡」のような存在です。それを回収し解析することで、直接観察することなく生物の存在を確認できます。

実証調査の結果



豊田市の里山「トヨタの森」で実施された14か月の調査では、3カ所から90サンプルを採取し、30種の鳥類と23種の哺乳類を検出しました。この調査は、カメラトラップによる観察と組み合わせることで、環境DNAの有効性を確かめました。渡り鳥の飛来時期と環境DNAからの検出結果が一致したことも特筆され、季節ごとの生物相の変化を捉えることができたのです。

Koro-rin法の今後の展望



今後もKoro-rin法は、電子機器なしで様々な場所で環境DNAを効率的に収集できる技術として期待されています。この手法を用いれば、目視調査やカメラトラップによる調査と組み合わせることで、より包括的に陸域生態系の変化を把握することが可能になるでしょう。

豊田中央研究所は、ネイチャーポジティブの実現に向けて研究をさらに進め、産官学の連携を通じて環境調査の手法を確立していく予定です。これにより、Koro-rin法の普及と社会への実装が期待されています。

論文の詳細



本研究成果は、2026年に国際的な学術誌「Environmental DNA」に掲載される予定です。研究チームは、陸域の生物多様性モニタリングの新たな道を切り拓くために、今後の研究を続けていくことを約束しています。


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: 豊田中央研究所 Koro-rin法 環境DNA

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。