増加するリチウム電池火災に備えた自治体の実務ガイド
2025年12月4日、慧通信技術工業株式会社が自治体向けにリチウム電池やポータブル電源の調達・保管リスクに関する情報をまとめた「調達・保管リスクFAQ(2025年版)」を公開しました。この資料は、急増するリチウムイオン電池による火災リスクに対応するために作成されたものであり、自治体が持つべき安全性と持続可能性に重視した調達判断の参考となります。
火災件数の急増
2025年9月時点で、東京都内のリチウム電池を原因とする火災件数は228件に達し、前年同期比で52件の増加となっています。火災原因の中でモバイルバッテリーが30%以上を占めており、ますます危険度が増していることが伺えます。また、福岡県の糸島市では公共施設での充電中に発火した事故も発生しています。このように、実際の防災現場での運用の中で火災リスクが顕在化していることは無視できません。
中国では、リチウム電池の製造と品質に関する認証が強化され、品質のばらつきや非正規品の流通といった問題も指摘されています。自治体が必要な電源を安全に調達するためには、これらの情報もしっかりと考慮する必要があります。
自治体が必要とする情報
公開された「調達・保管リスクFAQ」は、自治体が調達判断を行う際に直面する主な要素を中心に整理されています。具体的には、火災や事故のリスク、サプライチェーンの課題、中国の認証制度の変化、長期保管のポイント、そして廃棄・回収義務化などが挙げられています。この資料は特定製品の推奨や販売を目的としておらず、教育的な視点からの実務ガイドとして位置づけられています。
質問内容の一例
ここではFAQに含まれる重要な質問を一部紹介します。
- - Q1. リチウムイオン電池火災はなぜ増えているのか?
- - Q2. サプライチェーンにおける深圳ODMの依存はどのような問題があるのか?
- - Q3. 中国の3C認証強化は日本市場にどう影響するか?
- - Q4. 調達時に必ず確認すべき「6点セット」とは?
これらの質問を通じて、自治体が必要とする情報が整理されていることがわかります。
無償提供されるその他の資料
また、自治体からの要望に応じて、調達仕様書のドラフトやチェックリスト50項目も無償で公開されています。これにより、調達仕様書作成や備蓄計画の見直しに役立つ実務ツールが整備されています。
期待される利用シーン
これらの資料は、自治体の防災・危機管理部門での備蓄計画の見直しや、管財契約部門による調達仕様書の作成、そして住民への情報提供に役立つことが期待されています。今後、リチウム電池の火災リスクに対処するためには、これらの情報を活用していくことが重要です。
会社概要
慧通信技術工業株式会社は兵庫県に本社を構える企業で、オフグリッド電源や防災関連ソリューションの提供などを行っています。詳細は公式サイトにて確認できます。
公式サイト。
今後も、安全で安心な電源安定供給のための情報提供に努めていく予定です。