BtoB企業における与信管理と営業機会損失の実態
株式会社ラクーンフィナンシャルが実施した調査によれば、BtoB企業の経営者や営業責任者の約8割が「与信判断」による営業機会の損失を経験していることが明らかになりました。この調査は、与信管理の重要性とそのプロセスが営業活動に与える影響を探るもので、企業が直面している「売上拡大」と「未回収リスク回避」のジレンマを浮き彫りにしています。
調査の背景と目的
企業間取引における与信管理は、信頼性の高い取引を確保するために欠かせない存在です。しかし、与信の確認を慎重に行うあまり、本来得られるはずのビジネスチャンスを逃す危険も伴っています。このため、株式会社ラクーンフィナンシャルは実態調査を実施し、企業がどのように与信管理を行い、どのような障壁にぶつかっているのかを探りました。
調査概要
- - 調査期間: 2026年6月12日 ~ 2026年6月13日
- - 調査方法: インターネット調査
- - 調査人数: 1,000人
- - 対象: BtoB企業の経営者・経理責任者・営業責任者
この調査の結果、企業の約42.5%は「営業部門が与信管理を兼任している」と回答し、30.5%の企業は「専任部署」があるとしました。このことから、多くの企業が与信管理をほかの業務と並行して行っている実態がうかがえます。
与信審査にかかる負担
与信審査には多くの時間がかかることも課題です。「新規取引先の与信審査にかかる期間」の質問には、41.7%が「2〜3営業日」と回答しました。これは、迅速な取引が求められる中で、複数日の審査が営業活動におけるボトルネックとなる可能性が高いことを示しています。
さらに、与信判断を行う際に重視される情報として、51.9%が「外部信用情報」を選び、50%が「決算書」を挙げました。これらの情報を精査するためには時間と工数が必要で、業務負担を増大させます。
機会損失と営業活動への影響
調査結果によれば、企業の約89%は「与信判断を理由に新規取引を見送った経験」があると回答しました。具体的には、32.4%が「競合他社への顧客流出」を挙げ、営業担当者の士気や売上目標への影響も多数見られました。与信判断による不作為が、企業にとっては売上機会の損失に直結することが示されています。
課題解決への道
与信管理の適正化が求められています。約37.2%の企業が「営業機会の損失防止」を主要な期待効果として挙げています。また、42.5%が「正確で網羅的な信用情報」が理想的な与信管理体制を実現するための鍵であると認識しています。
さらに、31.9%が「迅速な審査を可能にするシステム」の必要性を強調しています。
まとめ
今回の調査により、BtoB企業の与信管理の複雑さと営業活動への影響が浮き彫りとなりました。企業はリスクを回避しつつも売上拡大を狙う必要があり、そのためにはテクノロジーの活用や人的リソースの確保が不可欠です。今後のビジネス環境では、迅速かつ的確な与信管理の実現が求められるでしょう。常に変動する市場の中で、営業機会損失を防ぎながら堅実な成長を目指すための戦略が必要です。