2025年6月4日、愛知県知多市にて、一建設株式会社が「愛知県立碧南工科高等学校」の建築デザイン科の2年生35名を招待し、木造住宅の建築現場見学会を開催しました。最近、建設業界は人手不足が深刻であり、特に高齢化の進行が影響しています。国土交通省によると、2023年の建設業の従事者数は1997年のピーク時に比べ約30%減少しており、これに伴い2025年には多くの団塊世代の方が退職すると予測されています。このため,若い世代への技術承継が重要な課題となっています。
本見学会は、次世代の建築を担うZ世代の高校生に対し、実際の住宅建築プロセスを体験してもらうことを目的としています。デジタル化が進む中、最新の管理ツールを使用し、現場の働き方を理解してもらう貴重な機会となりました。この日は、開会の挨拶に始まり、熱中症対策関連で支給されたファン付きウェアや塩タブレットの紹介が行われました。一建設がこれまで行ってきた取り組みとして、実際に建築されている住宅内での基礎工事や躯体工事の具体的な説明もありました。
工事現場では、一建設で働く大工が電動工具の安全な使い方を高校生たちに指導し、参加者は実際に電動ドリルやスクリュードライバーを使ってビス打ちを体験。高校生の中には「大工さんが電動工具を使うスピードは驚くほど早くて正確でしたが、実際にやってみると難しかったです」といった感想を持つ生徒もおり、日頃なかなか体験できない職業の厳しさや面白さを実感したようです。
見学会の最後には、質疑応答の時間も設けられ、参加した生徒たちからは現場職の魅力や将来の進路について思いを馳せる姿も見られました。今回のイベントは、ただの見学会にとどまらず、建設業界の未来を担う若者たちにとって貴重な経験となり、次世代に向けた技術や知識の承継に寄与することができたのではないかと思います。
一建設は1967年に設立され、分譲戸建住宅やマンション、注文住宅、リフォーム事業など多岐にわたり、業界内で確固たる地位を築いています。今回の見学会は、地域の高校生を対象にした取り組みの一環であり、これからも未来の建築技術者の育成に向けた活動を続けていくことでしょう。今後も彼らの成長を見守りたいと考えています。