AIとRPAが実現した賃貸管理業務の業務効率化の成功例
愛知県刈谷市に本社を置くハタス株式会社は、賃貸管理業務においてAI(人工知能)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を通じて、業務の効率化を実現しました。この成果は特に「定期報告書」の作成プロセスにおいて顕著で、従来の方法では約35時間かかっていた作業時間が、今ではたったの1時間で終わるようになりました。
1. はじめに:働き方改革の背景
ハタス株式会社は、かつて24時間365日体制でのコールセンター業務を行っていました。これは入居者からの電話問い合わせに対応するためのものでした。しかし、業務の増加や人材不足により、社員の負担は増大し続けていました。さらに、全社員が持ち回りで宿直室に宿泊し、深夜の対応を求められる状況が続いており、職場環境に大きな問題を抱えていました。
そんな中、ハタスは新たな代表が就任し、働き方改革を進める決断をしました。コールセンター業務を専門の外部企業にアウトソーシングすることにより、社員は深夜帯の常駐から解放され、業務負担が軽減されました。
2. 新たな業務負担と法改正
しかし、コールセンターを外注した結果、新たな業務が発生しました。それは、外注先から上がってくるデータを自社の管理システムに手動で入力する作業です。また、2021年に施行された「賃貸住宅管理業法」によって、登録賃貸住宅管理業者には物件オーナーに対して定期的な報告が義務づけられました。この改正により、オーナーへの定期報告書の作成がなくてはならないものとなり、新たな業務負担が生じました。
3. AIとRPAを活用した新プロセス
こうした課題を解決するため、ハタスではAIとRPAを用いた新しい業務プロセスを構築しました。具体的には、外注先のコールセンターから得た対応記録データを一括でCSV形式でダウンロードし、そのデータを自動的に処理する仕組みを導入しました。これにより、報告書作成のプロセスが自動化され、属人的な作業から解放されました。
また、報告書の内容を標準化することで、記載漏れや誤記載のリスクが低減されました。RPAが定型処理を行い、AIが文章生成の役割を担うことで、両者の強みを活かした効率化が実現しました。
4. 成果と評価
この新プロセスの導入により、賃貸管理業務の定期報告書作成は大幅に効率化されました。作業時間を約97%削減し、従来の約35時間から1時間に短縮されたのです。この成果により、担当者の残業が削減され、余った時間を他の重要な業務に充てることも可能となりました。
これこそが「不動産テック」としての成功事例であり、今後もハタスはデジタル技術を活用していくことで、業務効率化とサービスの質向上に努めていく方針です。
5. まとめ
ハタス株式会社の取り組みは、働き方改革と業務効率化を同時に実現した何よりの成功例です。今後もこの流れが他の企業にとっての参考になることを期待しつつ、不動産業界でのテクノロジーの利用が広まることを願います。
詳細な情報は以下からご確認ください。
ハタス株式会社ニュースリリース