管理職志向が薄い中堅社員の意識調査から浮かび上がる現状と未来
近年、中堅社員の管理職志向が低下していることが多くの調査からわかってきました。ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が実施した意識調査では、800人の中堅社員を対象に管理職への意識について分析が行われました。
調査の背景と目的
一般的に管理職はビジネスパーソンにとって重要なキャリアのステップとされていますが、その一方で、管理職になることに対する負担感が増しているためか、「管理職になりたい」と考える中堅社員が減少しているとの声が多く聞かれます。
本調査では、管理職以外のキャリアを志向する中堅社員たちの意見を集約し、企業の成長には多様な人材が必要であるとの観点から、これらの問題点を分析しました。
調査の結果
調査によれば、管理職を打診された中堅社員のうち、承諾したいと考えるのはわずか8.3%であり、約25.1%は辞退の意向を示したことが分かりました。残りの人々は「わからない」としたり、打診に対して「検討する」と答えたりしていました。これは、今後のキャリアについての自信に欠ける部分や、管理職へのなりたくない理由と関連していると考えられます。
性別やキャリア志向による違い
興味深いことに、男性は女性よりも管理職の打診に対する承諾や検討の意向が高く、具体的には男性の方が「承諾」の割合が高い結果となりました。また、キャリアの志向によっても傾向が見えてきました。特に、スペシャリストとしてのキャリアを重視する中堅社員は、管理職を打診された場合でも約22.4%が承諾する意志を示しました。
さらに、業務で成長を感じている中堅社員は、承諾の意向を示す割合が高いことが分かりました。このことは、成長機会を実感できている環境が、職務のモチベーションに大いに寄与していることを示しています。
職場環境の影響
調査は、職場の環境や制度に対する評価が中堅社員の意識にも大きな影響を与えることを突き止めました。例えば、自身の職場が年功序列だと思う中堅社員は、管理職を打診された場合に承諾する可能性が高くなることが明らかになりました。これらのことから、職場の文化や評価制度がキャリア志向にどのように作用するかは非常に重要な要素であることがわかります。
まとめと今後の展望
管理職志向が薄い中堅社員が多いという現実は、企業にとって大きな課題です。しかし一方で、成長機会や役割意識が明確であるミドルキャリアの社員は、管理職の打診に対して積極的な態度を持つことが分かりました。これを受けて、企業は中堅社員に対するフォロワーシップの育成や役割についての期待感を明確にする施策が求められています。
今後、より多様なキャリアパスが受け入れられる環境が整うことで、中堅社員が自らのキャリアを自ら考え、育てていけるようになることが期待されます。この調査結果が、今後の組織の在り方を考える上で一助となれば幸いです。