宿泊業界のDXを加速！新たな食材調達の形が登場

宿泊施設と生産者をつなぐ新しいマーケットプレイス「旅館・ホテル向けマーケットプレイス」が2025年3月に開設され、宿泊業界の食材調達がデジタル化の波に乗り始めています。この新しいプラットフォームは、株式会社インフォマートが展開し、JTB旅連事業との業務提携により全国の宿泊施設と生産者が交流する場を提供しています。開設から約半年で、すでに200社以上が参加し、両者の取引件数も順調に伸びているとのことです。

デジタル化の先に見えるもの

「旅館・ホテル向けマーケットプレイス」は、宿泊施設が全国各地の生産者から良質な食材を適正価格で調達できることを目的としたサービスです。これにより、従来の煩雑な調達業務が大幅に効率化され、業務の負担を軽減するとともに、全体の生産性向上を図っています。特に注目すべきは、宿泊施設が食材発注をWeb上で行うことで、発注作業時間が大幅に削減され、購買管理も効率化される点です。

生産者側も、新たな顧客基盤を得ることができ、地域の特色ある食材を全国の宿泊施設に届けることが可能になります。インフォマートのサービスを利用することで、地方の生産者も地理的な制約を受けることなく、幅広い市場にアクセスできるようになるのです。

全国各地での成功事例

実際にこのプラットフォームを利用した宿泊施設や生産者の声も続々と寄せられています。例えば、京都の「ホテル山楽」では地元の特産品「ゆずたま」をオンラインで調達し、「ここでしか食べられない朝食」を実現。これにより宿泊客の満足度が向上したといいます。また、株式会社ホロニックでは、健康志向の食品を探しており、旅館・ホテル特化型の商談を通じて信頼感を基に新しい商品を導入しました。

生産者側では、株式会社タカダが宿泊業界特化の商談を通じて顧客ニーズを迅速に把握し、新たな商品提案を行うことで成功を収めました。このように、双方がメリットを享受する形での取引が進んでいます。

提案の新しいカタチ

「旅館・ホテル向けマーケットプレイス」では、黒毛和牛特集や朝食特集など、商談や提案のテーマに基づいて食材を効率的に発掘・比較できる特集コーナーも設けています。これにより、宿泊施設の調達担当者は提案を受けやすくなり、食材調達業務のデジタル化の恩恵を実感しているとの声も多く挙がっています。

今後の展望

今後、インフォマートとJTB旅連事業では、季節ごとの特集コンテンツを充実させ、成功事例の蓄積・共有を通じて、さらなるデジタル化を進める予定です。また、地域特産品と宿泊施設を結びつける取り組みを進め、地産地消や地域経済の活性化に貢献する姿勢を続けます。これにより、宿泊業界全体の食材調達の形が変わり、業務効率化や新たな取引先の開拓も期待されています。

新しいビジネスチャンスを創出するためのデジタルプラットフォーム、今後の動向から目が離せません。