新しい養殖システム
2025-06-18 13:31:51

環境に優しい水産業へ向けた新たな挑戦、遠隔自動給餌システムの実証試験が始動

環境に優しい水産業への第一歩



近年、世界各国で持続可能な開発が求められる中、水産業においても新しい技術が求められています。その中でも、サステナブルな養殖業の実現を目指すための重要な取り組みとして、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(以下、F&LC)、尾鷲物産株式会社(以下、尾鷲物産)、ヤンマーホールディングス株式会社(以下、ヤンマーHD)による遠隔自動給餌システムの共同実証試験が始まることが発表されました。

遠隔自動給餌システムとは?



このシステムは、ブリの養殖を行う施設で初めて導入されるもので、海水温の上昇やコストの高騰といった課題に対応するため、効率的かつ持続可能な給餌が可能です。特に、エネルギーコストの低減が期待される海水と餌の混合給餌技術を採用しており、養殖業の生産性向上を図っています。

まず、三重県尾鷲市にある尾鷲物産の養殖場で、年間約60万尾のブリが生産される予定です。ここで行われる実証試験は、2025年6月から2026年1月にかけて実施され、実際に約14,000尾のブリに対して遠隔自動給餌が行われます。これにより、遠隔で操作可能なシステムを活用し、作業の効率化を図るのが目的です。

参加企業の役割



この試験における各社の役割は明確です。F&LCは、養殖したブリの品質評価を担当し、尾鷲物産は実際の養殖業務を行います。そして、ヤンマーHDは、給餌システムの開発と運用を行い、実証データを取得・分析し、今後の改善に生かすことが期待されています。最終的には、2026年中にF&LCが運営するスシローの一部店舗で、養殖されたブリの販売を計画しています。

目指すは持続可能な水産経営



F&LCの目標は、「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」というビジョンに基づき、安全で美味しい食の提供を通じて、持続可能な水産物の調達に取り組んでいます。これは、単なる養殖業務の効率化だけでなく、環境への影響を最小限に抑えた持続可能な経営モデルの構築を目指します。

一方、尾鷲物産も地域のニーズに応えられる養殖魚の安定供給を目指し、大学との連携によって新たな技術の開発に取り組んでいます。これにより、マーケットの要求に適した品質の養殖魚を常に供給する体制を整備することを目指しています。

養殖関連技術の進展



また、ヤンマーHDは、専用の水中カメラを使用して魚のデータを収集し、画像認識技術を活用して魚の数や体重を自動計測する技術を持っています。そして、本実証試験で採用する遠隔操縦技術は、農業や建設分野で利用されているものを応用したもので、ユーザーフレンドリーなHMIを用いることで、誰でも簡単に給餌の管理ができるようになります。

社会的な背景と影響



社会情勢の変化や自然環境の影響によっても、給餌コストは高騰していますが、今後の水産業においてこのシステムが果たす役割は非常に大きいものとなるでしょう。特に、海水と餌を混合することで効率的な給餌が可能となり、餌料効率の改善も期待されています。これにより、今後の水産業は持続可能性と効率性の両立が可能となります。

まとめ



この共同実証試験は、持続可能な水産業に向けた一歩として注目されており、結果がどのように反映されるか期待が寄せられています。各社が連携することで、川上から川下までを通じた強固なサプライチェーンが確立され、より良い水産業が築かれることを願っています。


画像1

画像2

画像3

画像4

関連リンク

サードペディア百科事典: ゆでブリ 自動給餌 サステナブル水産業

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。