未来の水産業を支えるマリンバースの取り組み
近年、持続可能な水産資源の獲得が求められる中、株式会社マリンバースは新たな可能性を切り開いています。この企業は、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と株式会社拓洋の共同出資によって2022年に設立され、安定的な水産資源の調達に向けた取り組みを展開しています。
自社開発のブリ人工種苗
2025年の夏、マリンバースは自ら開発したブリの人工種苗を養殖事業者向けに販売開始します。この種苗の成育は、通常7月から9月にかけての高水温期を乗り越えるという高いハードルをクリアし、順調に育っていることが報告されています。特にこの成育過程は、自然環境に依存することなく、持続可能な水産資源を確保するための第一歩と言えるでしょう。
背景と課題
ブリは日本の食卓では広く親しまれている魚ですが、その養殖においては主に天然の種苗に依存しています。このため、季節や環境条件に左右され、安定した供給が難しいという課題があります。また地球温暖化の影響で、夏の高水温を乗り越えられない個体が増えていることも大きな問題です。
こうした問題を解決するために、マリンバースはブリの完全養殖の実現を目指して研究を行いました。その結果、2024年に成功した人工種苗の生産テストを経て、2025年の販売を実現しました。
完全養殖へ向けたサイクルの構築
今後は、この人工種苗が成魚となり、さらなる採卵・孵化が行われることで、完全養殖のサイクルが確立されていきます。この方式により、自然の資源に頼らず、安定した供給が可能になると期待されています。また、養殖過程での飼育環境や飼料の管理によって、味の品質もコントロールできるのが特徴です。
マリンバースの未来
マリンバースは、持続可能な調達を目指し、ブリの完全養殖を進めていくと共に、美味しい海の恵みを皆様に届くよう努力を続けていきます。人工種苗の取り組みを通じて、自然環境の保護と安定的な水産資源の確保を両立させ、次世代の水産業の未来を切り開いていくのです。
結論
マリンバースの新たな取り組みは、持続可能な水産資源を求める現代のニーズに応えるものであり、私たちの食生活にも大きな影響を与えることが期待されます。これからの養殖業界において、マリンバースの動向から目が離せません。