富士の養鱒とFar UVC
2025-03-29 00:42:25

富士養鱒漁業協同組合がFar UVC技術を導入し感染症リスクを低減

地域の未来を支える新技術


静岡県富士宮市、恵まれた自然環境の中で行われるニジマスの養殖が新たなステージに足を踏み入れます。地元の富士養鱒漁業協同組合は、次世代技術として注目を集めるFar UVC(深紫外線)を用いた水質改善技術を導入し、魚病感染リスクを効果的に低減する取り組みを始めました。この技術は、地域のニジマス養殖業のさらなる発展を目指すものです。

富士山の湧水とニジマス養殖


富士養鱒漁業協同組合は「鮭鱒養殖を通じて地域や食文化に貢献」を理念に掲げ、富士山の清らかな湧水を活かしたニジマスの養殖を行っています。富士宮市は、全国でもニジマスの生産量が断トツの一位を誇っており、地元食文化の象徴ともいえる存在です。ですが、そんな美しい環境においても魚病のリスクは無視できません。最近では外部要因による病気の発生が懸念されており、養殖業者の皆さんはその対策に頭を悩ませています。

Far UVC技術の導入


新たに導入されるFar UVC技術は、波長200~230nmの深紫外光を利用したものです。新型コロナウイルス感染症の影響で、これまで以上に注目されるようになったこの技術は、ウイルスや細菌を高効率で不活化しつつも、人体には高い安全性を兼ね備えています。自社が開発したこの技術を活用することで、病原体の不活化が促進されるため、ニジマス養殖における魚病のリスクを軽減できます。また、これにより組合員の生産性向上や収益性の拡大が見込まれています。

社会的課題としての養殖


人口増加が続く中で、食品供給の確保は急務です。2050年までに世界人口は100億人に達すると予測され、肉類など動物性タンパク質の供給は2倍以上にしなければならないとされています。しかし、現在の養殖業は環境負荷を考慮する必要があります。特に魚病が増加している昨今、農薬や医薬品の使用を抑える技術が求められています。富士養鱒漁業協同組合は、これらのニーズに対応するためにFar UVC技術を取り入れる決断をしました。

組合からの期待の声


平林馨代表理事組合長は「Far UVC技術は従来の紫外線とは異なり、ニジマスや魚卵にダイレクトに影響を与えられる」と述べ、その可能性を強調しました。今後も技術の普及を通じて、環境負荷を低減し、養殖の現場をクリーンに保つ取り組みを続けていくとの意気込みを語っています。

未来へ向けた絆


そんな技術革新を支えるのが、東京都のBEAM Technologiesです。この会社は半導体光源の開発を手がけ、養殖業に新しい選択肢を提供しています。今後、富士養鱒漁業協同組合とBEAM Technologiesがともに過去の実証結果を活かし、さらなる技術を進化させていくことが期待されています。地域ブランド「富士宮のニジマス」や「富士山の湧水が育てた大々鱒紅富士」の信頼性向上にも寄与することでしょう。

富士養鱒漁業協同組合の取り組みは、単なる地域の経済活動に留まらず、豊かな水産物を未来に繋げるための重要なステップです。環境問題と供給問題を解決する鍵を握る富士のニジマスに、今後も目が離せません。


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