NPO法人クリーンオーシャンアンサンブルが受賞
海洋ごみ問題の解決に向けて活動を行うNPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(以下、クリーンオーシャン)が、2025年11月29日に愛知県豊橋市で開催された「超異分野学会 豊橋フォーラム2025」でオーディエンス賞の第3位を受賞しました。このフォーラムは、分野や業種を超えて様々な研究者と企業が集まり、意見を交換する重要な場となっています。
フォーラムでは、参加者211名の前でクリーンオーシャンが発表した「河川ごみ回収装置の開発:都市河川での実証実験および全国展開に向けて」が注目され、同団体の調査チームリーダー石山翔午氏がポスターを披露しました。今回は、ポスター発表が75件と過去最多であり、各発表には多くの注目が集まりました。
河川ごみ回収装置の実績
クリーンオーシャンは、河川におけるごみ回収の重要性を訴えています。国内の海洋ごみ流出量は年間約4万トンであり、その80%が街から出たごみです。このため、河川段階での効果的な回収が急務とされています。クリーンオーシャンが開発した回収装置は、河川の流れを利用したパッシブ型の設計で、小型、軽量なため設置が容易です。実証実験では、平均して4.70kgの河川ごみを1日あたり回収することができたとのこと。この量は海洋で回収する場合の約100倍にあたります。
全国展開の試算では、二級河川7,086本で1.22万トン、さらに一級と二級河川を合わせると3.63万トンものごみを回収できる可能性が示されています。この結果は、クリーンオーシャンの河川ごみ回収技術が国内においても高い関心を集めていることを示しています。
今後の展望
受賞を契機に、クリーンオーシャンは今後の社会実装の拡張を視野に入れています。ごみの回収量を最大化するための研究や他河川での展開、そして回収したごみの処理方法やリサイクルの仕組みを強化する計画です。
超異分野学会 豊橋フォーラム2025の意義
本フォーラムは、愛知県豊橋市の地域に密着した研究者や企業が集まり、分野を越えた議論をする場です。多様なバックグラウンドを持つ研究者や企業の参加により、さまざまな相互作用が生まれます。フォーラムの開催は211名を超える参加者を迎え、ポスター発表や「超異分野スプラッシュ」と呼ばれる80秒のプレゼンテーション形式の発表も行われました。このような取り組みが、河川ごみ回収技術に対する関心をさらに高めることとなるでしょう。
結論
クリーンオーシャンアンサンブルは、海洋ごみ問題を解決するために日々努力を重ねています。今後も地域や国を超えたネットワークを築き、社会における意識や行動の変革を促進する活動を続けていく所存です。皆さまの支援をいただきながら、海洋ごみゼロの未来を目指して進んでいきます。