調査概要
株式会社エス・エム・エスは、全国の柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、そして治療家を目指している学生を対象に、就業に関する意識調査を実施しました。調査は2024年10月14日から11月10日にかけて行われ、2,742人の回答が得られました。この調査は、治療家の職業的な現状を把握し、業界そのものの改善へと繋げることを目的としています。
主な調査結果
1.
職場満足度
調査に参加した治療家の74%が現在の職場に対して満足していると回答しました。具体的には、患者や同僚との関係、仕事のやりがいが高く評価されています。
2.
不満要因
一方で、仕事量に対しての報酬や、各種手当の不十分さに不満を感じている治療家も多く、53.5%が年収に対する不満を示しています。特に、仕事の内容と報酬とのバランスの欠如は重要な課題です。
3.
職場の満足と不満の差
満足度の高い治療家に共通するのは、やりがいや職場内の人間関係の良さです。逆に不満の強いグループでは、管理職との関係や評価制度への不満が影を落としていることが分かりました。
4.
退職動機
退職を考える治療家の39.5%が、給与に関する不満を理由に挙げています。残る「上司との関係」や「労働時間の長さ」も上位に位置しており、労働環境の改善が求められます。
5.
職場選びの基準
職場選びで重視されるポイントは、給与や勤務時間のほか、職場の雰囲気や休日数も考慮されています。これらは働きやすさに直結する要素と言えます。
6.
転職活動時の価値観
多くの治療家が、仕事とプライベートの両立を重視していることが特徴的です。この傾向は、働く環境がどれだけ生活の質に寄与するかを反映しています。
7.
学生の希望
学生は、施術所での勤務を希望し、専門性の拡充やスキルの向上を重視していますが、実際に就職後の視点と乖離が見られることも明らかになりました。
まとめ
治療家の就業環境は、職場に満足している割合が高い一方で、報酬や労働条件に対する不満も顕著です。特に労働時間や昇給、職場の人間関係に対する意識は重要な改善ポイントと考えられます。今後も調査を通じて、業界のさらなる発展に寄与していく必要があります。