ITエンジニアの外部人材活用の実態
近年、ITエンジニアの採用が困難な状況が続いている中、外部人材の活用が急速に進展しています。株式会社ラクスパートナーズが実施した調査によれば、97.7%の企業が引き続き外部人材を活用すると答え、その理由には人材不足や育成環境の未整備が挙げられました。
調査の概要
本調査は自社開発企業・SIerに在籍するITエンジニアの採用担当者を対象に行われ、399名からの回答を得ました。その結果、外部人材の活用においては、以下のような傾向が見られました。
- - 外部人材の活用する方針は全体の97.7%で、縮小を考えている企業はわずか2.3%。
- - 活用された外部人材の職種は約60%がシステムエンジニア(SE)層であるとの結果。
- - 年代別では、30代が約3割、20代と40代がそれぞれ約2割を占めています。
このように、外部人材の活用が企業において常態化しつつあることが確認されました。
外部人材活用の背景
前回の調査では、ITエンジニアの採用が目標を達成できない企業が6割以上に上り、業界全体での人材不足が深刻であることが明らかになっています。そのため、実務経験が不足している若手エンジニアの採用をはじめ、外部人材の導入が不可欠となっています。
特に、外部人材に求められるのは課題解決能力や即戦力です。回答者の多くは、「外部人材がプロフェッショナルとして課題解決に寄与してくれた」と評価しています。
実務未経験者の採用状況
調査結果では、約半数の企業が実務未経験の外部人材を採用していることがわかりました。その理由としては、コミュニケーション能力や意欲といったソフトスキルが重視されていることが挙げられます。未経験者でも、基本的な知識があれば実務をキャッチアップすることが可能だと考えられ、企業は人材不足の課題を解消しつつあります。
外部人材の年代構成
外部人材の年代構成を見ると、30代がトップの約3割を占めており、次いで20代と40代がそれぞれ約2割となっています。この傾向は、経験豊富な30代が多い一方で、新しい知識やスキルを持った若手の登用も進んでいることを示しています。経験に加え、意欲を評価する企業が増えていることは、今後の人材戦略にも影響を与えるでしょう。
また、外部人材が持つソフトスキルは特に価値が高く、プロジェクトにおけるミスマッチを防ぐために重要な要素とされています。
まとめ
今回の調査は、ITエンジニアの外部人材の活用が企業にとって不可欠な戦略であることを浮き彫りにしました。外部人材は柔軟に必要なスキルを提供し、業務を効率化するための強力なパートナーです。特に、ソフトスキルを重視した採用が進む中で、未経験者の活用は将来的な採用戦略においても重要なテーマとなるでしょう。
今後も、企業は外部人材との連携を強化し、人材不足の問題をクリアするための取り組みを進めていく必要があります。