共同配送の新時代
2025-10-08 12:25:30

Haleonジャパン、ロート製薬、ミルボンによる共同配送の新たな試みが始動

物流革命に向けて、3社の共同配送が始まる



Haleonジャパン株式会社、ロート製薬株式会社、株式会社ミルボンの3社が、2025年8月から持続可能なサプライチェーン実現に向けた共同配送の取り組みを開始することが決定しました。今般の取り組みは、名古屋市を本社とする東陽倉庫株式会社の協力を得て行われます。これにより、物流業界が抱える課題解決を図り、効率化と環境負荷の低減を目指します。

背景



ここ数年、物流業界は人手不足や長時間労働といった深刻な問題に直面しています。このため、安定的に製品を届けるためには、物流業界の持続可能性を確保することが不可欠です。Haleonジャパンも、これまで積み付け方法の改善等を通じて、効率化に努めてきました。しかし、保管効率や製品の規格により、時として余剰なスペースが発生することが課題でした。

そこで、配送ルートが共通している3社で製品を混載する共同輸送システムを構築することに決定しました。この新しいシステムは、輸送効率を最大限に高めるだけでなく、CO2排出量の削減やドライバーの労働環境の向上にも寄与することを目指しています。

具体的な取り組み内容



各社の課題


  • - Haleonジャパン: 相模原市に拠点を持つ製造委託先から、埼玉県加須市の自社物流拠点に製品を輸送する際、規格サイズによる余剰空間が問題でした。
  • - ロート製薬: 伊賀市の製造拠点から、相模原市の倉庫への輸送時、規格サイズによって余剰空間が発生。積載率が課題でした。
  • - ミルボン: 三重県伊賀市の製造拠点から加須市の倉庫まで製品を供給する中で、単独での積載効率が限界に達していました。

共同配送のスキーム


共同配送のスキームには、パレットサイズや製品の安全性に関する複数の制約を考慮して、製品選定や積載技術の検証を行い、品質テストを実施しています。また、各社の倉庫と製造拠点を結ぶリレー方式を採用することで、長距離輸送でも効率的に運行できる体制を整えました。

具体的な効果


1週間に1回共同配送を行った場合、以下のような効果が見込まれています。
  • - 積載率が平均66.5%から75.6%に13.7%向上
  • - トラック台数102台の削減(67.1%)
  • - 総輸送距離15,428kmの削減(38.6%)
  • - CO2削減量13.3t-CO₂(32.8%)
これにより、コストも18.4%削減される見込みです。

今後の展望



月1便で実施している本スキームを、将来的には週1便に増やし、さらなる効率化を図ります。また、各社の成功事例を基に、新たな協力企業を募り、拠点を拡大していく計画です。加えて、物流DXの推進により、さらなる省人化と積載効率の最適化を目指します。この共同配送の取り組みは、サプライチェーン全体の持続可能性を向上させるとともに、社会や環境の課題解決にも大きく寄与することになるでしょう。

各社の紹介



  • - Haleonジャパン: ヘルスケア分野のリーダーとして、オーラルヘルスケアやOTC医薬品を展開しています。
  • - ロート製薬: 中核となる上野テクノセンターを持ち、一般用医薬品やスキンケア製品を製造。
  • - ミルボン: 三重県のゆめが丘工場は、多品種のヘアケア製品を生産し、物流の効率性と品質を重視しています。

この共同配送のモデルは、他の業種にも広がりを見せ、業界全体の効率化と持続可能性の向上に寄与することが期待されます。


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