18歳成人の自覚と理想の大人像についての調査結果

高校卒業後すぐに社会人になる若者たちが増える中、その「大人」としての自覚はどのように感じられているのでしょうか。大阪市に本社を置く「ジンジブ」では、2025年4月入社の高卒新社会人を対象に「大人の実感」についてのアンケート調査を実施しました。この調査では、社会へ一歩踏み出す若者たちがどのように「大人」を捉えているのか、法的な性質だけでなく、自身の実感や理想とのギャップについても触れています。

調査の背景

2022年4月の民法改正によって、成人年齢が18歳に引き下げられ、多くの高校生が卒業と同時に社会人としての責任を担うことになりました。しかし、法的な成年年齢の変化と、個々の「大人になった」と感じるタイミングには、現実的なギャップが存在しています。ジンジブが主催する研修プログラム「ROOKIE’S CLUB」では、毎月全国の9会場で高卒新社会人に向けた育成支援が行われており、これらの実情を踏まえた調査が実施されました。

アンケート調査の概要

本調査には156名の高卒新社会人が参加し、以下のような質問が行われました：
1. 成人になった自覚をどの程度感じているか
2. 大人になったと自覚した年齢
3. 18歳は大人だと感じるか
4. 大人と感じる理由
5. 大人と感じない理由
6. 理想の大人像
7. 実際の社会での経験とのギャップ

主な結果

調査の結果、18歳での大人としての実感を持つ割合は44.9％であり、「大人になった」と実感する機会の多くは、経済的自立、つまり「お給料をもらった時」に強く影響されていることがわかりました。具体的には、「働くことで実感を得た」という回答が60.2％を占めています。一方で、「精神的に自立できていない」という回答も71.7％に達し、多くの若者たちが、法的には成人であるものの、精神的には自立に関して課題を抱えていることが明らかになりました。

理想の大人像については、「自立して自身の力で生活できる人」が59.6％を占め、続いて「意志を持って行動する人」（39.7％）や、「仕事とプライベートを両立できる人」（39.1％）といった具体的な要素が重要視されています。これらの結果から、若者たちが感じる大人としての理想は、単なる経済的自立にとどまらず、自主性や人間関係の築き方まで広がっていることが伺えます。

さらに、実際の社会で働いてみた体験と、自ら理想とする大人像との間に感じるギャップも注目される結果です。例えば、経済的な余裕のなさや、精神的な未熟さ、仕事に対する責任の重さなどが挙げられました。特に「精神的には子供のまま」という感覚や、経済的自由と責任の相反が浮き彫りとなっています。

調査を通じての目的

この調査の背景には、新たに成人を迎え入れる企業や、進学を考える高校生・保護者に向けて、高卒新社会人の実情への理解を深める狙いがあります。「大人」として成長する過程の中での支援が求められており、企業はこのような若者たちの実感やニーズに応えるために、きめ細やかな育成施策が必要です。

「ROOKIE’S CLUB」では、参加者が社会人としての責任感や自己成長を促す様子が見受けられます。今後も、若者たちが「大人」としての自覚を持てるような環境作りとサポートが求められます。これらの結果を踏まえ、多くの若者が自分らしい「大人」として羽ばたくことを願っています。