地域の中小企業がつながる新たな拠点、コアリスHDの挑戦

2025年4月、新たな取り組みとして「株式会社コアリスホールディングス（略称コアリスHD）」が発売されます。このホールディングスは、地域や業種、企業の規模を超えて中小企業同士が連携し合うことを目的としたものです。コアリスHDは不動産、医療福祉、建設、飲食、IT、クリエイティブ、DX支援といった幅広い業種の企業が参加し、それぞれの法人格やブランドを保ちながら、ホールディングス本部が統合的な支援を行います。

初年度から40億円を見込む実行型モデル

コアリスHDは、設立初年度から年商40億円を目指し、6年以内の上場を視野に入れた実行型の経営モデルとして注目されています。これにより、地域商工会や金融機関との協力を進め、持続可能な分散型経済の実現を目指しています。

日本の中小企業の現状と課題

日本には約350万社の中小企業が存在し、そのほとんどが地域に根ざした企業です。これらの企業は従業員が50名未満というところが多く、経営資源の分散が生産性の低さにつながることが課題とされています。このため、経済産業省は「中小企業活性化パッケージNEXT」を打ち出し、連携や事業再編、M&Aを推進しています。こうした背景から、コアリスHDは新たなホールディングスモデルを生み出しました。

独立性と共創を両立させる支援

コアリスHDの特徴は、様々な業種の企業が独立性を持ちながら共創できるところです。具体的には、ホールディングス本部が次のような支援を行います:

- 財務・経理の一元化支援 : 経理業務を集中管理し、効率化を図ります。
- 人材採用・育成支援 : 優秀な人材を確保し、成長させるための教育プログラムを提供します。
- DX推進支援 : デジタルトランスフォーメーションを進め、業務の効率化をサポートします。
- 資本政策支援 : 資金調達やM&Aのサポートを行います。

この支援が「可変型支援構造」であるため、企業の創業フェーズや成長段階、再生の必要性に応じて柔軟に適用できるのです。

成長・MoonShot計画の核心

コアリスHDは、官民連携による成長エンジンを目指しています。官製の支援施策との整合性を持ちつつ、単にコストをシェアするだけでなく、実質的な「価値創出基盤（COARIS.DB）」を活用することで、さらなる成長を図ります。IPOを視野に入れた実行型M&A戦略は、分散型持続可能経済のモデルケースとも期待されています。

今後の展望

コアリスHDは2025年内に、東京、名古屋、大阪、福岡、札幌の5拠点に支社を設ける予定です。さらに地域の金融機関や商工会、自治体との共創基盤を設計し、地域密着型の企業グループの形成に努めていきます。

代表取締役の西田玄輝氏は、「私たちは孤立した経営を終わらせ、地域の企業同士が共に成長できる経済モデルを真剣に作り上げていく」と語っています。次世代の中小企業経営の希望となれるよう、前向きな挑戦を続けていくことでしょう。