エーザイとロッテが共同で愛知県でフレイル予防プロジェクトを実施
エーザイ株式会社と株式会社ロッテは、愛知県の「あいちデジタルヘルスプロジェクト」に基づき、豊田市においてフレイル予防に向けた新しい実証事業を行いました。このプロジェクトの目的は、加齢による心身の機能低下を防ぐことにあり、特に「フレイル」と呼ばれる状態の進行を食い止めることを目指しています。フレイルは健康と要介護の中間に位置する概念で、何も対策を講じなければ要介護状態に進行するリスクが高くなります。今回の実証プロジェクトで得られたデータは、今後の健康促進施策にも大いに活かされるでしょう。
フレイルとデジタルヘルス
フレイルについては、身体的な脆弱性の指標となるさまざまなデータを基に、そのリスクを早期に捉えることが求められます。エーザイは豊田市が所持する健康診査結果を活用し、フレイルハイリスク者の抽出を行いました。具体的には、約三か月間にわたり実施した口腔体操プログラムを通じて、フレイルやオーラルフレイルの改善効果を検証しました。
具体的な取り組みとその結果
このプログラムには34名が参加し、フレイルハイリスク者が32名、オーラルフレイルハイリスク者が21名だったことが判明しました。ここでの成功は、検診データに基づいて高い精度でリスク者を見つけ出せた点にあります。口腔機能を向上させるための毎日のエクササイズや通いの場での学習を通して、参加者の行動が変容し、オーラルフレイルの割合は16%から3%に、フレイルの割合は19%から12%に減少しました。つまり、実際に機能が向上した方が多かったのです。
コミュニティの反響
実証事業を受けて、豊田市の企画政策部未来都市推進課の清水課長は「デジタル技術を用いてフレイルハイリスク者を抽出し、介護予防サービスを提供することの有効性が示唆されました」とコメントしています。この取り組みを通じて、フレイル予防に向けた新たな道筋が見えてきています。
今後の展望
エーザイとロッテの連携は、豊田市民の生活の質向上に貢献することが期待されています。デジタルヘルスを活用した新しい予防介入プログラムの導入により、さらなる健康増進事業の展開が検討されており、多くの市民がより健やかに生活できる環境作りが進められるでしょう。
これからも、地域コミュニティに根ざした健康促進活動を通じて、超高齢社会の実情に寄り添った取り組みを続けていくことが求められています。今後も愛知県のデジタルヘルスプロジェクトに期待が寄せられています。