名古屋大学発スタートアップAquaAge、NEDO Challengeで受賞
愛知県名古屋市に本社を置くAquaAge株式会社が、この度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催する「GENIAC-PRIZE」において受賞しました。応募総数67件の中から選ばれた8つのプロジェクトの一つで、賞金500万円を手にしました。
受賞内容の詳細
AquaAgeが受賞した内容は、マルチターン型ジェイルブレイクに対抗するハニーポット型防御ロジックの開発です。近年、大規模言語モデル(LLM)が進化して、AIが過去の会話履歴を長期的に保持できるようになりました。一方で、これを利用した「マルチターン型ジェイルブレイク」と呼ばれる新手の攻撃手法も登場しました。この方法では、攻撃者が数回の会話を通してAIを危険な状態に引き込むことが可能になっているのです。
従来の防御手段はこの複雑な攻撃を防ぐには不十分であり、最近の研究によると、既存の防御のうち70%以上が突破されるという結果も報告されています。こうした背景から、AquaAgeは新たに、攻撃の意図を段階的に検知し、遮断できる新しい枠組みが求められていると認識しました。
AquaAgeは「ハニーポット」技術を活用した防御型LLMを提案しました。このシステムは、攻撃者による悪意ある指示をモデル内部で疑似的に捕捉・隔離し、対話のログを解析することで自動的にリスクをプロファイリングします。この方法により、AIは攻撃パターンを自律的に学習し、可視化できるのです。これにより、AquaAgeの技術は「静的防御」から「動的・適応的防御」へと進化しつつあります。
NEDO Challenge「GENIAC-PRIZE」について
NEDOが運営する「GENIAC-PRIZE」は、生成AIの安全性に関わるリスクを把握し、それを低減するための技術開発を目的としたプログラムです。AquaAgeの受賞プロジェクトは、全国から寄せられた応募の中でその革新性と実用性が評価されました。
AquaAgeとはどんな会社?
名古屋大学から誕生したAquaAgeは、AI技術の最前線を突き進んでいます。特に、マルチモーダルAIおよび大規模言語モデルの安全性研究に注力しており、将来的な産業用AIの実現に向けた技術基盤の構築を目指しています。また、フィジカルAIの分野でも活躍しており、ドローンとロボットを利用して倉庫業務を自動化するプロジェクト「AIRPHA®」を推進しています。
未来への期待
今後、AquaAgeはこの受賞を契機に、NEDOのプログラムを通じてさらなる研究開発を進める予定です。2026年3月に予定されている本審査に向けて、新たな防御型LLM技術の構築を行い、社会から信頼されるAIの実現に寄与していきます。
お問い合わせ
AquaAgeに関する詳細な情報は公式ウェブサイト(
AquaAge公式サイト)にてご確認いただけます。連絡先は以下となります。
スタートアップAquaAgeの今後のさらなる成長に期待が寄せられています。