愛知県の醸造技術革新を目指す盛田株式会社の新プロジェクト

愛知県名古屋市を拠点とする盛田株式会社は、地域の醸造技術を革新するために、「知の拠点あいち重点研究プロジェクト Ⅴ期」に採択され、多様な企業や大学と連携を強めています。この取り組みは、愛知県が推進する産学官連携の一環として、技術課題の解決や新技術の開発・実用化を目指しています。

プロジェクトの目的と期待

「知の拠点あいち重点研究プロジェクト Ⅴ期」は、年間研究費上限3,000万円という大規模な予算を用いて、県内の産業における技術課題の解決を図るものです。盛田株式会社は、このプロジェクトにおいて、酒造りに欠かせない微生物、具体的には麹菌や酵母の新しい育種方法を開発し、日本酒の品質を可視化する新技術の導入に意欲を見せています。

プロジェクトの主な目標は、米の磨きを抑えながらも香り高く、雑味の少ない日本酒を製造する技術の確立です。これにより、同社は製品の高品質化を達成すると同時に、環境負荷の軽減、ひいてはカーボンニュートラルの実現を目指しています。これらの取り組みは、持続可能な開発を推進する上で重要な一歩となるでしょう。

企業連携の重要性

このプロジェクトには、盛田株式会社の他に、名城大学、株式会社ビオック、あいち産業科学技術総合センター、株式会社花酵母factoryが参加しています。各分野の専門家が集結することで、様々な知見が共有され、研究開発が加速されることが期待されています。特に、大学や研究機関との連携は、産業界が直面する課題を科学的アプローチで解決するために不可欠です。

盛田株式会社の沿革と役割

盛田株式会社は、1665年に愛知県常滑市で清酒造りを開始し、今年で創業360周年を迎えます。日本の発酵技術を駆使し、醤油やみそ、料理酒など広範囲にわたる食品事業を展開し、さらには日本酒を中心とした酒類事業も手掛けています。これまで愛知の地で培った伝統的な技術を基に、新たな挑戦を続ける盛田の姿勢は、多くの人々に感銘を与えています。