はじめに
近年、IT業界の人材不足が深刻化している中、新卒エンジニアの育成はますます重要な課題となっています。株式会社リアセックが行った調査によると、新卒エンジニアの育成において最も重要視されるのは専門的な技術スキルですが、同時にソフトスキルの不足が顕著な課題であることが明らかになりました。ここでは、この調査の結果をもとに新卒エンジニア育成の現状と課題を考察し、今後の方向性について探ります。
調査概要
今回の調査は、IT企業で新卒エンジニアの育成を担当する人事担当者と現場マネージャー863名を対象に実施されました。調査期間は2025年11月4日から11月6日までの3日間で、インターネットを通じて行われました。リサーチ対象としたのは、企業で実際に新卒エンジニアを育成している担当者です。
調査の結果では、新卒エンジニア向けの初期研修が技術スキルを中心に設計されている一方で、その後の現場配属後には多くの担当者が「ソフトスキルに課題がある」と感じていることが浮き彫りになりました。
技術スキル中心の研修
調査では、新卒研修の内容として技術スキル中心の集合型研修が約52%であることが示されました。人事担当者と現場マネージャーのいずれも、研修内容に満足している割合が高く、約8割が「実務で役立っている」と評価しています。しかし、ソフトスキルに関しては、現場での実践において問題を抱えることが多いことが分かりました。
ソフトスキルの不足
調査結果により、約9割の担当者が新卒エンジニアのソフトスキル、特に「主体性」や「協調性」に物足りなさを感じていることが明らかになっています。現場マネージャーは、新卒エンジニアが「チームで協力する力」や「周囲をまとめる力」を持つことの重要性を認識しているものの、実際にそれらのスキルが不足していると感じています。これにより、チームのパフォーマンス向上が難しくなる現実が浮き彫りになりました。
育成支援体制の必要性
約9割の人事担当者と現場マネージャーが、「人事からの現場支援が必要」との意見を持っています。このことから、単に研修を実施するだけでなく、働きかけとして継続的にソフトスキルを育成する体制が求められていることが分かります。現場での学びをサポートし、成長を促すための仕組みを整えることが今後の課題です。
今後の育成への取り組み
調査からは、ソフトスキルを測定・育成する新しい手法の重要性も浮き彫りになりました。約9割が「パーソナライズされた育成を支援するツールを導入したい」と回答しており、データを基にした最適化の必要性が高まっています。特に、日常業務を通じた実務体験がソフトスキルの育成において重要であり、それを実践に活かせる環境が整っていることが求められます。
まとめ
今回の調査結果から、新卒エンジニア育成においては技術スキルとソフトスキルをバランスよく育むことが必要であることが明らかになりました。現場での課題を解決するためには、育成担当者が連携し、日常業務を育成の場と捉えた取り組みが重要です。今後、ソフトスキルの育成に向けた具体的な施策やツールの導入が進むことで、より良い育成環境が整うことが期待されます。