名古屋市とビーライズが連携した防災教育メタバース実証実験
名古屋市とビーライズ(株式会社ビーライズ、広島市)は、子ども向けの防災教育メタバースゲーム『シェルタークエスト』の実証実験を行い、子どもたちに災害に対する意識を育む新しい取り組みを成功させました。このプロジェクトは、XR(拡張現実)やAI技術を駆使したもので、名古屋市が実施する「Hatch Technology NAGOYA」の一環として行われました。
プロジェクトの背景・目的
近年の大規模な自然災害が懸念される中、市民の防災意識には偏りが見られ、「自己の安全を守る(自助)」ことが重視される一方で、「周囲と助け合う(共助)」という意識は低調です。この状況を改善するべく、本プロジェクトは子どもたちが親しんでいるゲーム『Roblox』を通じて、避難所生活の疑似体験を提供し、自発的な助け合いを促すことを目的としています。
多くの子どもたちは、自らの経験がないために避難生活の不便さや困難を理解しづらく、それが防災教育の効果を弱めていました。また、伝統的な教育方法では興味を引きにくいことが多く、実行することが困難でした。そこで、ビーライズはメタバースという新たな形態に注目しました。本プロジェクトでは、子どもたちが主役となり、チームで協力して問題を解決することを重視した体験を設計しています。
実証実験の詳細と成果
名古屋市港防災センター及びナゴヤイノベーターズガレージでは、小学生を対象とした体験会を実施しました。アンケート調査を通じて、以下のような顕著な成果が確認されました。
- - 避難所の状況把握: 91.7%の子どもたちが避難所の様子を理解できたと回答し、「助け合いが必要な人々の困難さを実感した」という感想が寄せられました。
- - 共助の意識の向上: 94.4%の子どもたちが、避難所では皆で助け合うことが重要だと感じ、「チームで協力することで解決できることが多い」と答えました。
- - 備えの重要性: 94.4%の参加者が日常的な備えの大切さに気づき、家庭でも防災について話し合ったり、家具の固定を行う意欲を示しました。
保護者からも好意的な意見が寄せられ、「仮想体験は記憶に残りやすい」との評価を得ています。このように、子どもたち自身が主体的に意識改革を行う機会を提供できたことには、大きな意義があります。
コンテンツの工夫
本プロジェクトでは、参加者が飽きずに積極的に問題に取り組めるよう、ゲーム内に様々な工夫がされています。まず、異なるキャラクター選択によって得られる情報を変え、チーム内でのコミュニケーションを促進します。次に、目的地を示すナビゲーションをあえて表示せず、参加者同士が情報を共有し、協力して進むことが必要な仕組みにしました。
今後の展望
名古屋市防災危機管理局からは、メタバースを活用した防災教育の有用性が評価され、学校における活用が期待されています。ビーライズは、今回の実証実験を通じて得られた知見を活かし、地域の防災イベントや学校教育に利用できる専門の教育パッケージを提供する計画です。
本プロジェクトを通じて、子どもたちの防災に対する意識だけでなく、地域コミュニティ全体の防災力が向上することを目指しています。これからも、ビーライズは親しみやすいデジタルコンテンツを通じて、災害に強い街づくりに寄与してまいります。