若手社員の約6割が会社への貢献意欲を感じていない現実とは？

現代の若手社員に見る会社へのエンゲージメントとは

株式会社アーバンプランによる調査から、20〜30代の若手正社員の約6割が自社に対して貢献意欲を感じていないことが明らかになりました。この調査では、若年層のキャリア観や労働価値観の変化が反映されており、「終身雇用制度」の衰退が背景にあることが考えられます。

調査概要と結果の概要

調査は2025年4月16日から4月17日まで、対象者は20〜30代の正社員1,002人です。このデータを基に、若年層の離職意識や企業へのエンゲージメントの低下が浮き彫りになりました。約6割の respondents が「離職や転職が増えている」と感じ、その理由として「職場への不満」や「愛着の欠如」が上位に挙げられたのです。

具体的には、職場に対する不満が約40%、会社への愛着が30%という結果が得られました。これは、「人間関係が希薄」という感覚と合わせて、企業文化やマネジメントに対する信頼の低下を示しています。

エンゲージメントが低下する要因

エンゲージメントの低さについて尋ねると、約59.8%の若手社員が「全く感じない」か「あまり感じない」と回答しました。

その理由の多くは、「給与・待遇」「人間関係」「働き方」など、日常の職場体験に直結しています。この傾向は、感情的な価値よりも、実感できる快適さや快適な環境が優先される一方で、理念やビジョンにはあまり重視されていないことも表しています。

働き方に対する考え方の変化

「働く」という概念がエンゲージメントの程度によって明確に異なることが分かります。エンゲージメントを感じていない層は「生活するための手段」として仕事を捉えがちですが、逆にエンゲージメントを感じている層は「自己実現」のためと認識しています。

この調査によれば、今後の働くことに対する価値観の変化を期待する声が多く、ライフイベントやキャリア転機が大きな影響を与えることが示唆されています。

理想の企業像とエンゲージメント向上

「エンゲージメントの高い会社の理想像」について尋ねたところ、要望は「給与や待遇の改善」「柔軟な働き方の導入」「良好な人間関係の構築」に集中しました。これは、日々の不満を解消するためには、明確かつ具体的なアプローチが求められていることを示しています。

オフィス環境の重要性

エンゲージメント向上には、オフィス環境の改善も不可欠です。「快適なデスク・椅子の提供」や「共有スペースの充実」など、物理的な快適さが求められています。このことは、リモートワークの普及が進む中で、オフィスそのものの質が重要視されていることを示すものです。

若手社員が快適な環境を求める一方で、単なる設備投資ではなく「組織文化の改善」につながる施策が必要です。特に、「オフィス環境の質が向上すれば企業内への信頼感も高まり、エンゲージメントが改善される」との意見も多く見受けられました。

結論

今回の調査結果から見えてきたのは、若手正社員が現在の会社にエンゲージメントを感じていないという厳しい現実です。離職や転職意識の高まりは、もはや目を背けることのできない企業経営の課題となっています。これに対処するためには、社員の声を聞き、環境を見直すことが企業に求められていると言えるでしょう。

企業が効果的なエンゲージメント向上施策を取り入れ、社員が働きやすい環境作りを進めることが、少子高齢化社会における持続可能な成長につながるはずです。