矢作建設工業の新たな試み「AIあんぜん指示ボット」
名古屋市に本社を置く矢作建設工業株式会社は、近年建設業界における労働災害の撲滅に向けて、革新的なシステム「AIあんぜん指示ボット」を開発しました。このシステムは、過去の遭遇した労働災害事例を検索し、リアルタイムで職員と協力会社に対しアドバイスを提供する仕組みです。
繰り返し災害の撲滅
建設現場では、過去の災害事例を有効活用することが求められます。矢作建設工業では、実際に自社で発生した労働災害の事例を整理し、それを基に「AIあんぜん指示ボット」を開発しました。このシステムを使うことで、職員は過去の災害事例に基づいた安全指示を行うことが可能になり、繰り返し発生する災害の防止に繋がると期待されています。
システムの仕組み
「AIあんぜん指示ボット」は以下の三つのステップで機能します:
1.
作業予定情報の取得: 建設現場での施工情報を管理するサービス「Buildee」を通じて、翌日の作業予定情報をAIが読み取ります。
2.
過去事例の抽出: 次に、AIはクラウド内に格納されている災害事例を検索し、該当する事例を抽出します。これにより、現場での具体的な作業内容と関連性の高い情報が浮かび上がります。
3.
情報の配信: 最後に、抽出した災害事例が現場職員用のビジネスチャット「direct」を通じて配信されます。これにより、現場で働くすべての人が、迅速に重要な安全情報を受け取ることができます。
労働環境の改善
このシステムは、繰り返し災害の防止を目指すだけでなく、職員の負担軽減にも寄与します。AIによる情報の自動取得と配信により、時間をかけて過去の事例を探す手間が省かれ、職員が現場に集中できる環境が整います。また、若手職員の早期育成にも期待が寄せられており、安全指示を通じて実践的な経験を短期間で積むことが可能です。
feedbackと今後の展開
導入後の職員からは、「具体例を持って安全指導ができるようになった」との評価もあります。また、現場からのフィードバックを基に、システムはさらに改良されていく予定で、将来的には品質管理など他の分野でも利用される可能性があります。
おわりに
矢作建設工業の「AIあんぜん指示ボット」は、建設現場の安全管理において革新的な一歩となっています。今後も、同社は蓄積されたデータをうまく活用し、安全で安心な現場環境を実現していくことでしょう。私たちも、この取り組みに注目し、続報をお届けしていきます。