2025年新入社員の意識調査
2025-06-05 11:49:49

2025年度新入社員の価値観変化に見る「安定」志向の高まりと成長意欲の低下

2025年度新入社員の意識調査からわかるアプローチの変化



2025年度の新入社員が持つ仕事への価値観について、ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が実施した意識調査の結果が発表されました。調査は2025年3月25日から4月24日の間に行われ、対象者は計3,933人。この結果より、現在の新入社員の特徴として「安定した生活」を求める傾向が強まる一方、自身の成長を求める気持ちが過去最低となっていることが明らかになりました。

1. 安定した生活を求める新入社員の増加


調査によると、2025年度の新入社員の65.6%が「安定した生活を送りたい」と応え、この割合は過去12年間で最高となりました。この結果は、特に新型コロナウイルスの影響が少なくなった現在において、多くの若者が「安定」を重視するようになった状況を反映していると考えられます。例年に比べ新入社員はイキイキとした表情で入社することが多い中、高い意欲で働き始めたとしても、内心には将来への不安を抱いているのかもしれません。

一方で、「自分の成長を重視する」という回答は50.1%にとどまり、過去最低の数値を記録しました。この状況から、安定志向が強まる一方で、成長志向が薄れてきたことが懸念されます。それは、安定を維持することが優先され、リスクを伴う挑戦を避ける風潮が根付いていることを示唆しているのです。

2. 楽しさとやりがいが求められる仕事


今後新入社員が取り組むべき仕事としては、「楽しくてやりがいのある仕事」と答えたのが69.1%に達しました。この結果は、彼らが仕事を通じて「楽しさ」や「やりがい」を重視する意志を持っていることをうかがわせます。また、過去数年にわたってこの傾向は高止まりしています。*

反対に、「自身の成長に繋がる仕事」という選択肢は41.4%と低下の傾向を見せており、自己成長が重視される時代は過去のものとなりつつあると考えられます。要するに、安定した職場における「楽しさ」を求める声が高まる一方で、成長のために挑戦を続ける姿勢が薄れてきているというのが現実なのです。

3. 働き方に対する考えの変化


働き方に関する質問では、44.6%が「定時に帰りたい」と回答し、この数値は11年前に比べて17.2ポイントの増加が見られました。また、週に2~3回の残業は許容できるという意識を示すのが38.7%で、依然として多くの新入社員が時間の充実を重視していることも分かります。

この背景には、若者世代の価値観に影響を与えた新型コロナウイルスの影響があると指摘されています。コロナ禍の間に多くの人々が仕事の意義や働き方について見直し、自分のライフスタイルや価値観を考え直す機会が増えたことで、「仕事とプライベートのバランス」が特に重要視されるようになったのでしょう。

4. 対人関係における性格の変化


新入社員たちの対人関係に関する調査では、依然として人に頼まれたことを断れない傾向が見られ、特に「断ろうと思っても断れない」が49.2%と、高い割合となっています。これはコミュニケーションの場が減少した環境下での新入社員同士の交流が影響している可能性があります。彼らが「断る」という行為に対して不安を感じる場面が増えてきたことからも、より仲間意識を強め、協調的に行動しようとする意識が芽生えているように思えます。

5. まとめ


全体として見ると、2025年度の新入社員は「安定」を求めつつも、自己成長の意欲は低下していることが明確化しました。彼らが安定した生活を確保しながらも、楽しさややりがいを求めている姿勢は、今後の労働市場に対し大きな影響を及ぼすでしょう。企業はこれらの変化を受け、若者が安心して働く環境を整える努力が求められるのではないかと考えます。さらに、新入社員の成長を促すためには、挑戦の機会を持たせ、自己表現やディスカッションを通じて彼らが声を上げやすくなる環境を取り入れることが重要です。



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