小牧市立小牧南小学校が中部建築賞を受賞
愛知県小牧市に誕生した小牧市立小牧南小学校は、その革新的なデザインと地域とのつながりを重視した設計により、第56回中部建築賞を受賞しました。この賞は中部圏の地域社会の発展に寄与し、「持続可能な社会」を目指す優れた建築作品に贈られるものです。
受賞の背景
この学校の設計を手掛けたのは、株式会社久米設計。建築主である小牧市と協力しながら、児童・先生・地域が互いに交流し、共に学び合うことを重視しました。その結果、地域活性化を図る拠点としての役割を担う学校へと仕上がりました。
竣工は2023年3月。延床面積は11,336.10㎡で、4階建てのRC構造(部分的にS構造)です。また、このプロジェクトでは愛知まちなみ建築賞やキッズデザイン賞、ウッドデザイン賞も受賞しており、各方面から高く評価されています。
設計コンセプト
「つながり」をテーマにした小牧南小学校は、児童や教師、地域住民が交流できる場を意識的に設計されています。中心に配置された図書機能を核とした「小牧山ステップ」は、多方向に開かれた吹抜けの空間構成で、児童同士の交流を活発にすることを目的としています。これにより、多学年の児童が自然に交わる機会が増え、学びの楽しさを実感できる環境が整っています。
特に、図書室はただの知識の宝庫ではなく、子どもたちが自分で考え、動き回りながら学び合う「学び舎」として位置づけられています。また、外部に開かれたステップ状のテラスは、屋外活動と地域とのつながりを生む空間として設計されており、地域コミュニティの活性化にも貢献するでしょう。
未来を見据えた学び舎
小牧南小学校は、地域と密接に連携し、次世代の学びを支える場として設計されています。設計者は「この学校が地域に新たな活気をもたらし、小牧の未来をつなぐ場となることを期待している」とコメントしています。児童一人一人が自ら考え行動し、その中で芽生えた「つながり」が、さらなる成長を促すことを目指しているのです。
企業の理念と展望
久米設計の代表取締役社長、藤澤進氏は、「持続可能な社会の実現に向け、地域と人を大切にした設計を続けていく」と語ります。創業以来、数多くのプロジェクトを手掛けてきた同社が、地域に根ざした価値を提供し続ける姿勢には、感心するばかりです。
このような取り組みが、小牧南小学校を単なる学びの場ではなく、地域との関わりを深める「学び舎」として機能させることに寄与しているのです。今後も地域の未来を担う子どもたちの成長に寄与する小牧南小学校の活躍に期待です。