名古屋芸術大学の新たな挑戦
名古屋芸術大学のデザイン領域イラストレーションコースの3年生たちが、FSC(森林管理協議会)ジャパンの依頼を受け、持続可能な森づくりをテーマにした創作プロジェクトを展開しています。この取り組みは、国際的な森林認証制度の理解を深め、一般の人々にその重要性を伝えることを目的としています。
プロジェクトのスタート
このプロジェクトは、2023年9月24日に行われた第一回講義からスタートしました。講義では、世界との比較で日本の森林の現状に触れ、FSC認証の意義について理解を深めるための授業が行われました。学生たちは、持続可能な森林経営や環境保全の重要性を学び、これらを基にした創作を行う準備を進めています。
速水林業への訪問
プロジェクトの一環として、学生たちは2025年10月1日、三重県尾鷲市にある日本初のFSC認証を取得した速水林業を訪問します。この訪問により、学生たちはFSC認証がどのように生態系の保全と経済的利益を両立させるのかを実際に学びます。代表の速水亨氏からは、持続可能な森林経営に関する貴重なレクチャーがあり、豊かな生態系を維持するための「針広混交林施業」の実践を見学する予定です。
材木の特性を実感
また、学生たちは協力企業の塩崎商店で実際の製材の工程を体験し、木材の特性や森とのつながりを学びます。このように、実地での体験は、自らの創作活動に生かされるエッセンスとなるでしょう。木材の端材を利用した創作にも挑戦することで、よりリアルに森の大切さを表現することが期待されています。
期待される作品たち
FSCジャパンの白井聡子氏は「海の向こうではなく、学生たちならではの新鮮なアイデアに驚かされることを期待しています」と述べ、外部講師の西埜隆文氏も「質の高い作品が生まれると確信しています」と強調します。これらの期待を背に、学生たちはFSCの理念を体現する作品制作に励むことでしょう。
最終発表に向けて
このプロジェクトは、2026年1月14日に予定されている最終プレゼンテーションまで続きます。学生たちは、消費者や企業など、さまざまな視点から森林認証の重要性を伝える方法を検討し、FSCの理念を広めるために創造的な表現を発表します。
名古屋芸術大学のこの取り組みは、木々と人間との関係を再考し、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すものと言えるでしょう。学生たちの感性がどのように表現されるのか、非常に楽しみです。