丸天産業、オフィス改革の新たなモデルを確立
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社丸天産業が、一般社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会(JAFMA)が主催する「JAFMA大賞」にて、優秀ファシリティマネジメント賞を受賞しました。この受賞は、自社のファシリティマネジメント(FM)を駆使した新たな組織づくりと事業推進の取り組みが高く評価されたものです。
受賞の背景と評価ポイント
丸天産業が今回の受賞で評価された理由としてやはり、自社のオフィス運用においてISO FMを基にしたマネジメントサイクルを適用し、それを人材育成や女性活躍推進、健康経営にまで広げていった点があります。このように、組織全体の効率性を高めるための努力が認められたことは非常に意義深いものです。
「Maruten 2.0」の始動と目的
2018年からスタートした「Maruten 2.0」プロジェクトの一環として、丸天産業は働き方改革と組織風土の改善に注力しています。そして、2023年には新しい社屋が完成し、「未来を変えよう、『人』と『空間』のチカラで」というパーパスを掲げて、経営実践をさらに強化しました。
主な取り組み内容
1.
ISO FMの自社版再構築
ISO FMのプロセスを丸天産業独自のモデルに再構築し、全社一丸となって目指すべき方向性を共有しました。
2.
マネジメントサイクルの統一
部門横断的なマネジメントサイクルを構築し、サーベイやワークショップ、ヒアリングを通じて「運用」と「空間」の同時改善を実現しました。
3.
若手のPJ体制と相互理解の促進
プロジェクトは若手主導で進行し、事例共有によって各部門間の相互理解を深めていきました。
4.
イベントの常設化とコラボレーション
社内外をつなぐイベントの開催や産学連携を常に行い、業界の知見を生かしています。
5.
心身に配慮した空間デザイン
サーカディアン照明、和室、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)、ライブラリーを取り入れ、従業員の心身の健康を配慮した空間をデザインしました。
6.
定期的な効果測定
アンケートや財務分析を導入し、施策の効果を定期的に見直し、改善を図っていきます。
7.
パートナー企業との協力
株式会社ヒトカラメディア、名古屋市立大学大学院の講師、株式会社国分設計、AquaDesignWorksといった多様なパートナーとも協力し、より良いオフィス環境を目指しています。
確認された成果
この取り組みを通じて、数値・人材・事業の三方面で確かな成果が確認されています。
特に、人材面では若手の3年以内の離職率が25.8%から15.1%に改善され、女性社員の比率は31.1%から38.9%へ、さらに女性管理職比率も10%から40%へと大きな向上を見せています。また、採用においても学生からの支持が増加し、空間の魅力や挑戦できる文化の重要性が再認識されています。
経済面でも、一人当たりの売上総利益の向上や、FM視点での財務分析導入による投資計画の整合性が向上しています。顧客に対する伴走プロジェクトや、働き方提案の高度化も実現しています。
受賞の意義と今後の展望
このたびの受賞は、丸天産業が掲げる「未来を変えよう、人と空間のチカラで」という理念が、実際のビジネスにおいて具現化されたことを示しています。 今後も丸天産業は人を中心とした働く空間の構築に注力し、ファシリティマネジメントを通じて社員の働きやすさや事業推進に寄与し、地域社会への貢献を目指していきます。
また、自社の成功事例をもとに中小企業におけるファシリティマネジメントのロールモデルになれるよう、引き続き挑戦を続ける所存です。
企業情報
丸天産業は1950年に設立され、オフィス家具の販売だけでなく、オフィスの空間デザインや働き方コンサルティング、新築・移転・リニューアル支援、オフィスサーベイ分析に広く取り組んでいます。また、働く環境をより良くするための「MIRAI場 project」を通じて、新しい働き方と空間の関係性も探求しています。
快適で機能的、かつデザイン性にも優れた空間づくりを通じて、現代の働き方や働く環境の多様化に応えていくことが求められる時代に、丸天産業の役割はますます重要になっています。