エンペラーペンギンの赤ちゃん誕生!
2025年9月30日、アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)でエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。これは4年ぶりの出来事で、この赤ちゃんは園内で16羽目のペンギンです。公開日は2025年10月6日からです。
誕生の経緯
7月26日に卵が産まれた後、スタッフは親から卵を預かり、孵卵器で注意深く見守りながら育成しました。約66日間の孵化期間を経て、元気に誕生しました。出生時の体重は約295.9g。性別は1年後のDNA検査で判定予定です。
現在、この赤ちゃんペンギンはバックヤードで育てられており、10月6日からはペンギンベースの1階で一般公開されます。ただし、万が一動物の健康管理の都合により公開が変更されることもありますのでご注意ください。
初期人工育雛の取り組み
アドベンチャーワールドでは、赤ちゃんペンギンが健やかに育つように「初期人工育雛」という方法を採用しています。具体的には、スタッフがペンギンを模したコスチュームを身に着け、親鳥の鳴き声を録音した音声で食事を与えます。この方法により、赤ちゃんは人生初の動物としてスタッフを認識し、過剰なストレスを避けることができます。赤ちゃんが600gに成長した段階で、親鳥へと返します。
エンペラーペンギンの特性
エンペラーペンギンは、最も大きなペンギンの一種であり、約1.2メートル程度に成長します。南極大陸に生息し、約30年の寿命を持ち、厳しい環境の中で繁殖を行います。このペンギンの繁殖行動は非常に過酷で、特に寒い冬に子育てを行います。オスは卵を約2ヶ月間、絶食しながら温め続ける特異な習性があります。
繁殖の取り組み
アドベンチャーワールドは、1997年からエンペラーペンギンの繁殖研究に取り組み、2011年までは完全人工育雛に依存していました。しかし、ヒナが成長後も人間を親と認識するため、これが繁殖問題を引き起こすことが分かり、2012年からはスタッフが親鳥のまねをして育てる方法にシフトしました。
現在、日本国内でエンペラーペンギンを飼育しているのはアドベンチャーワールドと名古屋港水族館の2園のみ。両施設は、血統の多様化を目指して2009年からブリーディングローンを実施するようになりました。これにより希少動物の繁殖に寄与しています。
PINGU™ʼs SMILE PARTYの開催
また、2025年10月2日から2026年2月28日まで、アドベンチャーワールドで「PINGU™ʼs SMILE PARTY in ADVENTURE WORLD」も開催されます。ピングーと共に赤ちゃんの誕生をお祝いするこのイベントは、アドベンチャーワールド内の各所で展開される特別コラボレーションです。
まとめ
エンペラーペンギンの赤ちゃんの誕生は、動物の繁殖と保護に関する取り組みが実を結んでいる証です。アドベンチャーワールドでは、未来の繁殖に向けた新たな挑戦を続けており、日本国内でのエンペラーペンギンの血統維持にも力を注いでいます。新たな命を通じて、私たちも未来への責任を感じていきたいですね。