中堅社員の理想の職場文化
企業において、中堅社員は成長の重要な時期にあり、自身のキャリアを築くための大きな役割を果たしています。そんな中堅社員が求める理想の職場文化に関して、2024年12月に行われた意識調査の結果が明らかになりました。この調査は、約800名の社会人5年目から11年目未満である中堅社員を対象に実施され、彼らが求める職場の雰囲気や文化について深く掘り下げました。
理想とする職場文化の調査結果
調査によると、中堅社員が最も理想とする職場文化は「チームワークを重視する文化」で、31.4%の支持を集めました。この結果は、互いに協力し合うことが重要であるという認識を反映しています。続いて「多様な考え方や働き方を尊重する文化」が18.3%で、次に「成果や効率などパフォーマンスを重視する文化」が17.4%という順位でした。
逆に、あまり重視されていない文化としては「伝統や従来の手法を重んじる文化」(5.3%)や「お客様を第一に、常に外向きな文化」(7.0%)が挙げられました。特に、特定の指示に従いながら業務を進めることを求める「階層構造が明確にある文化」にも8.1%の支持と少数に留まり、柔軟で多様性を受け入れる文化が求められていることがわかります。
現在の職場文化とのギャップ
次に、中堅社員が実際に働いている職場文化について調査すると、やはり「チームワークを重視する文化」が28.5%と最も多く見られました。この結果は、理想の職場文化と非常に近いものである一方で、「努力やプロセスを重視する文化」が18.0%、「成果や効率を重視する文化」が16.3%と続きました。
この調査から、理想の文化と実際の文化との間にギャップが存在することが明らかになりました。特に「多様な考え方や働き方を尊重する文化」では、9.0ポイントもの差が見られ、ミドルキャリア層が理想とする柔軟性が現実には達成されていないことが浮き彫りになっています。
働き続けたい理由
また、ミドルキャリア社員が現在勤務する会社で働き続けたいかどうかを調査したところ、「働き続けたい」と感じている割合は55.6%となりました。勤続意向者の多くは、現在の企業文化が「チームワークを重視する文化」であると回答しており、この文化が勤続意向に大きく影響を与えていることが伺えます。
一方で、離職意向者の文化は「努力やプロセスを重視する文化」が最大の割合を占めており、これもまた離職意向に影響を及ぼす要因となっています。このように職場における文化が、社員のモチベーションや忠誠心に深く関連していることが示されています。
まとめと職場文化の重要性
今回の調査結果から、ミドルキャリアが求める理想の職場文化は「チームワーク」が最も高く志向されていることがわかりました。さらに、この文化が実現されることで、社員の働き続けたい意向が増すというポジティブな関係も明らかになりました。
現代のビジネス環境において、中堅社員がその成長を図るためには、互いに助け合い、協力するチームワークの重要性がますます増しています。これからの企業は、職場の文化を再評価し、中堅社員が理想とするチームワーク重視の環境を整えることが求められているのです。
このような柔軟性や多様性を持った職場文化の形成は、企業全体の組織力の向上にも繋がるでしょう。今後、企業はチームビルディングに注力し、社員が互いに成長し合う環境作りに取り組むことが必要です。
調査を進めたALL DIFFERENT株式会社は、組織開発・人材育成に特化した企業として、今後もこのような研究を続け、職場文化の改善に寄与していくことを目指しています。