中堅社員のキャリア志向に関する意識調査の結果
2025年10月、ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所は、中堅社員を対象にした意識調査を実施しました。この調査では、社会人として5年以上、15年未満の中堅社員800人を対象に、そのキャリア志向と感じている不安、また後輩に対する指導などの役割について分析が行われました。
調査背景
今日のビジネス環境は多様化し、そのなかで中堅社員が果たす役割は極めて重要です。特に、現在の30代はリーマンショックや東日本大震災などの影響を受けた世代であり、彼らのキャリア形成には独特の背景があります。調査によると、20代から50代のビジネスパーソンの約6割が、自社での30代社員が不足していると感じており、この世代の人材が求められています。しかしながら、最近の労働環境の変化や技術革新によって、中堅社員はキャリアに対する不安を抱えることが多く、その波及効果が懸念されています。
調査結果の概要
調査結果から浮かび上がったのは、半数以上の中堅社員がキャリアに対する方向性を明確に持っていないことです。「キャリア未定」や「キャリア志向なし」と回答した社員は合計で54.4%にも達しました。このことから多くの中堅社員が、今後のキャリアプランに迷いを抱いていることが分かります。
男女別のキャリア志向
調査では、男性と女性のキャリア志向に顕著な違いが見受けられました。男性の約20.5%が「専門職志向」と回答したのに対し、女性は10.3%でした。さらに、女性の40%が「キャリア志向なし」と答えており、女性の方がキャリアの不確実さを強く感じていることがわかります。
社会人歴とキャリア志向
社会人としての経験年数によるキャリア志向の変化は見られず、経験が多いからといって志向が明確になるわけではありませんでした。一方で、キャリアが未定の人は年数が経つほど減少し、志向なしが増加する傾向が明らかとなりました。
非定型業務とキャリア志向
具体的なキャリア志向を持つためには、多様な業務経験が必要です。しかし、非定型業務に関する経験がない層では、約60%が「キャリア志向なし」と回答しました。逆に、精力的に非定型業務に取り組む 中堅社員は、キャリアの方向性をしっかりと持っていることが確認されました。
部門間連携の重要性
部門間連携に関与する機会がある中堅社員は、約30%が専門職志向を持っている一方で、連携の機会がない層ではこの割合が約3倍低下しました。この結果は、異なる部署との関わりがキャリア形成に大きく寄与することを示唆しています。
不安を感じる中堅社員
さらに、調査によると、中堅社員の約40%が働き続けることへの不安を抱えており、特に「キャリア未定」の層ではその割合が顕著に高くなっています。未来に対する漠然とした不安が、キャリア形成に及ぼす影響が深刻であることを示しています。
まとめ
今回の調査は、中堅社員のキャリア志向が曖昧であること、女性と男性の間にも大きな違いが存在することを明らかにしました。また、幅広い経験がキャリア志向を形成するために必要であることがわかりました。
私たちの調査結果は、企業が中堅社員のキャリア支援に向けて何を行うべきかという重要な示唆を提供しています。特に、幅広い経験を促す環境作りと、業務に関する新たなスキルの習得を支援する具体的な施策が必要です。また、キャリアに対して考える機会を増やすことにより、社員が将来の方向性をつかむ手助けをすることが求められています。これにより、ミドルキャリア社員が自信を持って仕事に取り組めるようになり、組織全体の成長へとつながることでしょう。