伊豆稲取での「廃漁網リサイクルプロジェクト」の詳細
静岡県東伊豆町の稲取マリンスポーツセンターで、2023年6月1日に開催された「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」について、今回は深掘りしていきます。この取り組みは、海洋の環境を守り、地域社会との共生を目指すものとして、リファインバースグループとPADIジャパンが協力して実施しました。
プロジェクトの背景
近年、世界的な課題として海洋プラスチックゴミの増加が挙げられています。その中でも、特に深刻な影響を与えているのが、放置された漁網や釣り糸、ロープなどの「ゴーストギア」です。このプロジェクトは、こうした海洋生物や生態系に悪影響を及ぼす廃棄物の負のスパイラルを断ち切るために、実施されました。
リファインバースグループは、廃漁網を高品質なリサイクルナイロンペレット「REAMIDE(リアミド)」に再生する技術を持ち、これを活用したサステナブルな製品づくりを行っています。このプロジェクトを通じて、学生やボランティアが廃漁網の選別作業を体験し、資源循環の重要性について学びます。
イベントの流れ
この日のプロジェクトには、27名のボランティアが参加し、海洋保護に関心を持つ同志社大学の学生や東京大学の海洋調査探検部のメンバーも駆けつけました。イベントは、東伊豆町の副町長による挨拶でスタート。参加者たちは、キンメダイ漁やマグロ漁で使用される漁網の選別に取り組みました。
選別作業では、漁網に付着した金属部品を丁寧に取り除く必要がありました。2時間以上にもわたりハサミを使って金具を外す作業を行った結果、予想を遥かに上回る量の漁網が集まりました。参加者は「金具がこんなにもたくさん付いているなんて」「網にもいろいろな種類があるとは知らなかった」と驚きを隠せませんでした。
学びと変化
今回は初めて漁網に触れる参加者も多く、手作業の大変さだけでなく、廃棄物の価値について新たな認識を持つ機会ともなりました。作業後には、漁網を再生した「REAMIDE」を使ったノベルティの配布も行われ、参加者は「こんなしっかりした製品になるなんて」と驚きの声を上げていました。
REAMIDEの魅力
使用済み漁網から取り出した金具を除去した後は、リファインバースの工場で再生ナイロンペレット「REAMIDE」へと生まれ変わります。このペレットは、アパレル製品やインテリア素材、さらには建材に至るまで多岐にわたって利用されています。特に注目されているのは、環境に配慮した材質として、再利用による持続可能な社会づくりにつながる点です。
未来への取り組み
リファインバースグループでは、今後も廃棄物から新たな価値を生み出し、循環型社会を実現するための様々な取り組みを進めていく予定です。現在、スペシャルな素材「ReFEZER(リフェザー)」の開発も行われており、サステナブルなビジネスの拡大を目指しています。
「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」は単なるイベントではなく、地域社会や企業が一体となって海洋環境を守るための意義深い活動としてきっと、今後も続いていくことでしょう。このような取り組みから、私たちも学ぶことが多く、日常生活における意識を変えるきっかけが得られます。私たちも、持続可能な未来のために何ができるのかを考えていきたいですね。