会員登録はECサイトの不安要素!調査結果が示す現実とは
ECサイトの利便性が進化する中、会員登録は依然として多くのユーザーにとって心理的なハードルとなっています。愛知県名古屋市に本社を構える株式会社システムリサーチが運営する「創作品モールあるる」は、全国のEC利用者200人を対象に「デジタル接点」に関する調査を実施しました。その結果、最も面倒だと感じる行動が「会員登録」であることがはっきりとしました。内容を詳しく見ていきましょう。
調査結果の概要
調査結果によると、53.5%の人が会員登録を最も面倒だと回答しています。この数字は、アプリのダウンロード(13%)やLINE友だち追加(15%)を大きく上回るもので、会員登録がECサイトにおける主要な離脱要因であることが分かります。
一方で、18.5%は「特に面倒ではない」と回答しており、ユーザー経験(UX)の向上に取り組む余地もあることが伺えます。
面倒な理由は多岐にわたる
一番多く挙げられた理由は「個人情報の入力が面倒」で32.6%でした。そのほか「通知や広告が煩わしい」との意見が19.9%、そして「結局使わなくなりそう」と思う人も18.9%おり、心理的な障壁が多く存在していることが明らかになりました。このような背景から、ユーザーは登録すること自体に抵抗を感じやすくなっています。
面倒でも実行する現実
実際に、過去3か月以内に行った行動を見てみると、アプリのダウンロードが24.9%で最多を占めました。他方で「特に何もしていない」とする層も22.1%おり、デジタル接点そのものを避けるユーザーも一定数存在しています。しかし、会員登録(19.6%)やLINE友だち追加(14.2%)といった行動は、面倒だとは言いつつも実行されていることが分かります。この結果は、「面倒だけれども利用する価値がある」と感じている人が多いことを示しています。
特典がモチベーションになる
面倒を突破するための要素として最も多く挙げられたのが「割引クーポン・ポイント付与」で、67%の人がこれを魅力的な特典と評価しています。また、21%の人は「特典がなくても必要ならやる」と答えており、マーケティング施策を設計する際には「必要性の提示」と「金銭的メリット」の両方が重要であることが浮き彫りになりました。
UX改善の観点から
UX改善の重要なポイントとして、「すぐに退会・解約できる安心感」が39.1%と最も高い割合を示しました。さらに「特典利用のわかりやすさ(28.1%)」、「通知頻度を選べる(17.8%)」という要素も続き、これらは消費者の行動を後押しするために欠かせません。
まとめ
企業にとって会員登録は顧客を獲得する最初のステップですが、一方でユーザーには大きな心理的負担を与える要素でもあります。顧客の特典やUX改善の取り組みによって、ユーザーが「嫌だけど仕方なくやる」から「自然に受け入れられる」へと転換することが、今後の大きなマーケティング課題となるでしょう。
この調査結果は、企業やECサイトがユーザーエクスペリエンスを向上させ、より多くの顧客を引き寄せるための貴重な指針を提供しています。今後もこのような取り組みを通じて、ユーザーにとって魅力的な接点を増やすことが求められています。
調査の詳細については「
創作品モールあるるの公式サイト」をご覧ください。