名古屋の「守山の杜」が自然共生サイトに認定
名古屋市の守山区に位置する大日本印刷株式会社(DNP)の事業所内にある緑地「守山の杜」が、環境省により「自然共生サイト」の「創出タイプ」として認定されました。この取り組みは、地域の生物多様性を保護・再生するために2012年から始められたものです。
自然共生サイトとは
自然共生サイトは、民間の取り組みによって生物多様性の保全が行われている区域を指し、環境省が2023年度から認定を行っています。この制度は、地域生物多様性増進法の法制化が予定されている2025年度には、さらに拡充され、企業が実施する「増進活動実施計画」なども認定対象となります。
今回、守山の杜が認定を受けた「創出タイプ」は、開発後の場所における生物多様性を創出する取り組みを示しています。これにより、DNPは今後、「家庭以外の保護地域」であるOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)として登録されることを目指しています。
取り組みの背景と経過
守山の杜では、愛知県の庄内川近くにその特性を活かして、チガヤやササ類が生育する明るい草地環境の復元に取り組んでいます。その始まりは2012年にまで遡り、外来種の侵入によって生態系のバランスが崩れる中、DNPは植栽や野鳥のための人工水場を設置し、外来種対策にも努めています。
特に2013年からは、愛知県東部丘陵生態系ネットワーク協議会の支援のもと、ビオトープの拡張と維持に向けた調査を開始し、希少種の保全に前向きに取り組んでいます。現在では、行政や有識者との協力体制を整えながら生物多様性を高めるための活動を続けています。
具体的な取り組み内容
1. ジャコウアゲハの保全
名古屋市版レッドリストに載る準絶滅危惧種、ジャコウアゲハの保全を目指し、生態系の連鎖を支える在来植物の維持に特に注力しています。ジャコウアゲハの食草、ウマノスズクサの植栽や、成虫・幼虫のモニタリングを実施し、生命のサイクルが見える環境作りを行っています。
2. 水辺ビオトープの整備
水辺環境の創出とともに、井戸水や雨水での水位管理を実施、低草丈の在来植物群落を維持しています。ヒメガマの刈り取りによる水質改善だけでなく、トンボやカエルのための成長する場所を提供することで、多様な生物が共存できる環境を整えています。
3. 外来種の管理
外来種の監視と計画的な除去を行い、特にセイタカアワダチソウやオオキンケイギクなどを的確に駆除しています。生態系の保全を徹底するため、侵入状況を定期的にチェックし、在来種の保護に尽力しています。
4. 多様な協力体制の構築
行政や大学などと連携し、活動計画の改善を図りながら、幅広い生物に関する調査を実施。持続可能な生態系保全を目指し、地域ネットワークの形成にも積極的です。
今後の展望
DNPはこれからも守山の杜の管理を続け、2026〜2031年の目標に向け着実に進めていく予定です。そして、ジャコウアゲハに続く新たな希少種の保護を視野に入れた植物導入や、水辺での希少種の保全計画を進行させていきます。今後もDNPは、地域とのつながりを大切にしながら自然共生社会の実現に向けた取り組みを続けていく考えです。