アイシンとネッツトヨタ郡山が挑む次世代太陽電池の実証実験

愛知県刈谷市に本社を置く株式会社アイシンが、福島県郡山市に位置するネッツトヨタ郡山株式会社と連携し、新たにペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始しました。この実証実験は、再生可能エネルギーの普及に向けた重要な一歩とされています。

ペロブスカイト太陽電池の特長

ペロブスカイト太陽電池は、軽量で薄型、さらには曲げることも可能な次世代の太陽電池です。従来のシリコン太陽電池は設置場所に制約があるため、特に建物の壁面や荷重制限のある屋根など、以前は設置が難しかった場所でも活用できる可能性があります。これにより、再生可能エネルギーの導入を加速し、カーボンニュートラルの実現に寄与することが期待されています。

実証実験の概要

今回、実験が行われるのは「ネッツトヨタ郡山安積店」の店舗壁面です。ここに設置されるペロブスカイト太陽電池は、同店のテーマカラーである青色に装飾され、店舗のデザインとの調和を図っています。9月7日に行われるグランドオープンを前に、実験では郡山市の特有の気候条件下でのパネル色の変化や反射光の影響、また、装飾なしのパネルとの性能比較が行われます。これにより、発電効率や耐久性のデータを取得し、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた貴重な情報を得ることが目指されています。

店舗内外での電力利用

設置されたペロブスカイト太陽電池によって生じた電力は、店舗内のいくつかの100Vコンセントや外部照明の電源として活用されます。これにより、店舗運営におけるエネルギー効率の向上が期待され、持続可能なビジネスモデルの構築に寄与します。

未来への展望

アイシンとネッツトヨタ郡山は、実証実験を通じてペロブスカイト太陽電池の商業化を進め、都市景観との調和を保ちながら次世代エネルギーの普及を目指します。また、アイシンは環境保護と社会貢献の観点からも、移動手段の革新を進めるとしています。「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という理念のもと、持続可能な社会の実現に向けてさらなる技術開発を進めていく方針です。