新入社員と上司のコミュニケーション事情の調査
2024年に入社した社会人1年目の社員を対象に、上司とのコミュニケーションについて調査を行いました。この調査は、累計で13,000社420万人以上の組織開発や人材育成を支援しているALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社が実施したもので、特にアフターコロナに入社した世代のコミュニケーションの実態を把握することを目的としています。
調査の背景
新型コロナウイルスの影響で、学生時代の授業はオンラインが増え、コミュニケーションの価値観も変化しています。この変化の中、新入社員が上司とのコミュニケーションに苦慮すると、離職を考える可能性が高まることが、過去の調査で明らかになっています。新入社員が成長するために良質なコミュニケーションの必要性はより一層強くなっています。
コミュニケーション実態調査の結果
本調査では、300人の社会人1年目社員を対象に、上司とのコミュニケーションの手段や頻度、フィードバックの重要性について質問しました。その結果、次のような重要な知見が得られました。
コミュニケーション手段
約80%が「対面」でのコミュニケーションを行っており、オンライン会議やチャットも利用されていますが、依然として対面が主流であることが分かりました。
コミュニケーションの頻度
驚くことに、55.7%の新人社員が毎日少なくとも1回以上上司とコミュニケーションを取っていることが判明しました。その中で、約73%はこのコミュニケーションの量が「十分」と感じています。
フィードバックの重要性
社会人1年目社員の80%以上が日々のフィードバックが「気づきや成長につながっている」と評価しており、フィードバックが成長に大きな影響を与えていることが示されています。逆にフィードバックをほとんど受けていない社員の多くが成長を実感できていない宗旨が見受けられます。
上司への相談
また、上司への相談頻度に関する結果も興味深いものでした。「相談していない」と回答した新人社員が25.1%に上る一方、相談しやすさを感じている社員は66.7%に達しました。これにより、相談をする文化の重要性が浮き彫りになりました。
総括
調査の結果、新人社員はコミュニケーションの量と質が共に重要であることを強く感じています。特にフィードバックの頻度が高いほど、「気づきや成長につながる」と実感している社員が多いことから、上司との良好なコミュニケーションを維持することが、新人社員の成長を支える鍵であると言えます。
今後も、効果的なフィードバックを行い、日々のコミュニケーションを質の高いものにするためには、上司側の意識改革が必要です。上司はコミュニケーションの頻度を増やし、新人が気軽に相談できる環境を整えることで、より良い組織へとつなげていくことが望まれます。