医療業界の性差を考える
2025-05-21 11:35:54

千葉県・敬愛学園高等学校で医療業界のジェンダーバイアス解決に向けたワークショップを開催

ジェンダーバイアス解決への第一歩



2025年3月11日、千葉県・敬愛学園高等学校で「医療業界の職業にまつわるジェンダーバイアスを克服するには?」をテーマにした探究学習ワークショップが行われました。このイベントは、ナース専科が株式会社朝日新聞社と株式会社博報堂の「探究インターン」に協賛し開催されたものであり、高校生たちが医療業界の現状を深く理解し、ジェンダーバイアスに対する意識を高めることを目的としています。

開催の背景



日本国内における看護職は長い間、性別に基づく呼称が存在していました。「看護婦」や「看護士」といった呼称が一般的でしたが、2002年の法改正で男女共に「看護師」と統一されました。この改革は一歩前進であるものの、医療業界における男性看護師の割合は依然として低く、全体の8.6%と1割にも満たない状況です。特に、男性看護師が少数派である環境では、様々な課題が浮き彫りになっています。

このような現実を受けて、ナース専科は看護師・看護学生向けのコミュニティや人材紹介サービスを展開し、医療業界の問題解決に取り組んでいます。今回のワークショップでは、若者がジェンダーバイアスの問題に向き合い、解決策を考えるためのプラットフォームを提供することを目指しました。

ワークショップの流れ



1. 基礎知識の習得



ワークショップの冒頭では、医療業界の現状とジェンダーバイアスの基礎知識について学ぶ時間が設けられました。参加者は「理系は男性のイメージ」や「医師は男性、看護師は女性」といった固定観念についての意見を出し合い、性別に縛られない個人としての評価が必要という意見が多く寄せられました。

2. 意見交換



次に、日本の医療業界における男性看護師の位置付けについて具体的な事例を基に議論が行われました。参加者は「医師の呼称に女医が存在するため、女性医師が珍しいとされる印象を受ける」や「男性看護師は特定の診療科にしか配属されない可能性がある」といった現実を踏まえた意見を交わしました。これにより、ジェンダーに関連した多くの課題が浮き彫りになりました。

3. プレゼンテーション



各グループは議論の結果をまとめ、医療業界におけるジェンダーバイアスを解決するためのアイデアをプレゼンテーションしました。一部のグループは「男性看護師をもっと正当に評価し、彼らの存在を知ってもらうために、看護学校のパンフレットに男性の写真を載せるべき」という革新的な提案を発表しました。参加者たちは、自身の考えを発表し合いながら、問題解決への第一歩を踏み出しました。

参加者の声



ワークショップ後のアンケートでは、およそ95%の参加者が医療・介護業界におけるジェンダーバイアスに対する理解が深まったと報告し、90%がこの分野への興味が高まったと回答しました。この結果は、ワークショップが意義深い機会だったことを示しています。

一部の学生からは「医療現場の偏見が少なくなり、より良い社会を築く一助になれれば」との意見や、「自分自身が将来看護師になりたいので、今後の進路を考える参考になった」といった感想も多く寄せられました。

今後の展望



ナース専科は、医療業界の未来を担う若者への情報提供や啓発活動を続け、引き続きジェンダーバイアスといった社会課題の解決に取り組む所存です。次世代を担う学生たちが真剣に考え、議論を交わしたこのワークショップは、今後の医療業界にとって大きな可能性を秘めています。彼らの前向きな姿勢が未来の医療環境を変えていくことを期待しましょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

関連リンク

サードペディア百科事典: ナース専科 ジェンダーバイアス 探究インターン

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。