岡崎発！木材の新しい価値を創出する「森に座るベンチ」プロジェクト

岡崎市の新たな挑戦「森に座るベンチ」

愛知県の岡崎市で、循環型プロジェクトが始動しました。「森に座るベンチ」は、一般社団法人AndForestと有限会社タキコウ縫製が共同で開発した、木材の新しい価値の創出を目指すベンチです。このプロジェクトは、森林の再生と持続可能な地域経済の構築を基盤としています。

乾燥中の木材を活用した新しいベンチ

「森に座るベンチ」は、11月末に行われる日本商工会議所青年部の全国リーダーズ研修会で来場者用に設計されたベンチです。木材が乾燥する間に使用できるように、スギの天板を活用し、地元のクッションメーカーが製造するビーズクッションを脚部に取り入れています。このプロジェクトの目的は、森の資源を無駄にせず、地域の技術を結集させることです。

森の課題を解決へ

現在、日本の森林は多くの課題に直面しています。木材の需要が低迷し、伐採された木材の価値が適切に評価されないこと多くあります。こうした中、AndForestは「眠っている木材」に注目し、その状態である間に価値を創出する仕組みを作りました。これにより、木々が育つ時間を浪費することなく、地域の経済に新たな資金の循環を生み出しています。

再利用可能なデザイン

「森に座るベンチ」は、木材の特性を活かした設計が施されています。根曲がり材を使用しながらも、ビーズクッションがその揺らぎを吸収してくれるため、安定した座り心地が実現されています。このタイプのベンチは屋外でも安定して置くことができ、使用後は天板の部分を再び製材工程に戻すことで、新たな製品として生まれ変わります。

地域経済を支える取り組み

今回のプロジェクトにより、地域の森林資源が適正に評価され、林業従事者にも還元が行われることが期待されています。また、都市生活者が「森に座る」体験を通じて、森林の重要性や魅力を感じることができる機会も提供されています。このように、地域社会にとっても多くのメリットが生まれるのです。

協賛とパートナーシップの募集

現在、プロジェクトは地域の企業や団体からの協賛を募集中です。協賛企業は、ベンチに自社のロゴを掲出することができるため、企業のCSRやSDGsに対する取り組みを広く発信することが可能です。これにより、企業と森との新たなネットワーク「森のパートナーシップ」が構築され、森から生まれる新しいビジネスモデルが形成されることを目指しています。

今後を見据えた展開

「森に座るベンチ」プロジェクトは、今後も拡大を見据えています。乾燥中の木材を利用したプロダクトラインを増やし、他のイベントや施設の什器として展開する計画です。これにより、地域の森林資源の活用を通じた新しい経済圏を確立し、持続可能な地域づくりを進めていく予定です。

岡崎市の「森に座るベンチ」は、地域の森を守り、木材の新たな可能性を引き出す取り組みとして、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。森の恵みを感じ、「座る」ことで森の大切さを再認識してみませんか？